今日は三阪一徳さんの「土器からみた弥生時代開始過程」の紹介をします。
三阪さんは現在九州大学大学院博士課程在学中で、韓国留学経験はもちろん、今も韓国を行ったり来たりして、日韓土器の比較研究を続けています。
氏の研究によれば、突帯文単純期に半島土器の形態的影響が顕著に見られるようになるが、しかしその製作技術は縄文的手法によっていると言う。つまり、縄文人が自らの技術によって半島的土器を作ったという。こうした変容形が中心であるが、数少ないながらも、半島的形態と技術をもった土器もある。それらは唐津・糸島など玄界灘西部に多く、早良・福岡に少ない。
板付Ⅰ式土器前後になると、むしろ半島的技術による土器が増加するが、今度はその形態は変容した物で、これは半島技術のダイレクトな影響というより、前代の技術伝統がもちこされたとみている。
列島に影響を与えた半島土器は嶺南地方南部から湖南地方東部と考えている。