クルミ：誰の財布？
雅喜：彼女の。俺持ってなかったから
クルミ：・・あれは？やっぱ物騒だから預けろって

雅喜：あの金はルリ子にあげた
クルミ：へっ・・全部？
雅喜：まぁ

クルミ：もしかして、あんたの彼女の方が一枚も二枚も上手だったりして
雅喜：ん？
クルミ：最初っからあの金目当てで・・
雅喜：俺も大概人信じない方だけど・・お前はもっとだな
クルミ：心配してやってんだろ？そんな女だったら、あんたが死んでも浮かばれないって
雅喜：・・化けて出てやるよ

クルミ：見てやろうか
雅喜：あん？
クルミ：あたしが会って、本性確かめて・・
雅喜：お前に人を見る目あんの？
クルミ：女同士ならピンとくる。よく、上辺で騙されてる男見て、アホだなこいつって思うから
雅喜：俺も仕事辞めてここ来る以外、今んとこぷらぷら暇だからなー・・それ、ちょっと退屈しのぎにいいかも

雅喜：ルリ子VS、クルミ・・
クルミ：怪獣かよ（笑）
雅喜：ガオッ

雅喜：（笑）

雅ル：いっただっきまーすっ♪

雅ル：ワンポイント～♪

クルミ：あ゛ぁ？

雅喜：バイオエネルギーを高める言葉だよ。おはよう、こんにちは
ルリ子：ただいま、おかえり、おやすみ。全部ワンポイントよ？
雅喜：それ積み上げていくと、正しいエナジーが悪いものを消去するんだと
ルリ子：つまり、雅喜の腫瘍は消えるの
クルミ：あっそう・・

クルミ：ん！うんまっ！
ルリ子：あぁそれ3ポイント！ありがとー
雅喜：予想外って言い方だったぞ。2ポイントだろ
ルリ子：ケチ！いいじゃない3で！
雅喜：ケチ言うなぁー俺にマイナス2ポイントきたろ・・
ルリ子：ごめん。好き好きぃー愛してる・・ちゅ。
雅喜：・・嘘くせぇからゼロポイント
ルリ子：嘘くせぇあたしにマイナス2きた
雅喜：ざまぁみろ（笑）

ルリ子：ざまぁみろはだめよ！？言ったあなたもマイナス5！
雅喜：やべっ！今のなし！許して！
ルリ子：許してはプラス2！
クルミ：あ゛ぁーっ！！あんたらバカじゃね？！
ルリ子：・・へ？

雅喜：出た。・・バカじゃね？！が、こいつの口癖
ルリ子：それはだめよ？マイナス4
雅喜：あ、じゃあ、バカでーす！って明るく認めたら？
ルリ子：よし、それなら逆にプラス3！

雅ル：バッカでぇーす♪
クルミ：あ゛ぁーっ！！あんたもうすぐ死ぬんだろーがよ！！
ルリ子：だからそういうネガな言葉は！
雅喜：あ、じゃあじゃあ、そうでーす！って認めたら？
ルリ子：認めてもだめでしょ
クルミ：はぁ・・
ルリ子：あなたは死なない。絶対に。
雅喜：さんきゅ～・・差し引きゼロんなった
クルミ：何がポイントだよ・・ふざけてる場合じゃなくね？

クルミ：違うだろ！もっと、残された時間、お互いの時間を二人で大切に涙ぐむように寄り添うっていうか、時々主題歌流れ～のーで・・
雅喜：それなんかのウエットな映画だろ、余命なんちゃらっていう
クルミ：関係ねぇだろ。普通はそうして真面目に過ごすもんだろ！
ルリ子：ものすごく真面目なんですけど
クルミ：？！
ルリ子：でも、はたから見たらふざけて見えるかも・・

雅喜：不思議だよなー・・実際、頭痛は治まってきてるんだ
クルミ：え？！
雅喜：このゲームのおかげかは知らないけど
ルリ子：ゲーム言うなぁ！・・あぁでもまぁ、楽しんでるっていうのもポイント高いからいいのか
雅喜：寝てる時もさぁ、耳元で・・良くなってる、腫瘍は小さくなってるって、ほとんど24時間言葉攻めさ。君、ちゃんと寝てるの？
ルリ子：あたし、ナポレオンと一緒で3時間で十分なの
クルミ：科学的じゃなくね？そんなの

雅喜：科学で百瀬さんの奥さんのこと説明できるか？
クルミ：そりゃぁ・・
ルリ子：気持ちの部分って大きいよね、特に女子は。その日の気分でイライラしたりとかあるでしょ？
クルミ：そりゃぁ・・

雅喜：こいつ、世界で一番生理が重いらしい
クルミ：今は12番目くらいさ。それでも人生嫌んなる。毎月戦いみたいで・・
ルリ子：大変ね。でもそういう時、そばで大丈夫？って、ツラいねって優しくしてもらえたら随分違うでしょ？
クルミ：されたことないからわかんねぇ

雅喜：・・・・大丈夫かい？
クルミ：・・・・・・
ルリ子：・・・・ツラいよね？
クルミ：・・・・・・・・・

ルリ子：・・どう？少し違くない？
クルミ・・・・・・・・・つか今違うし
ルリ子：・・戦い？そうだ戦いもあった！
雅喜：ん？

ルリ子：ほら、よく芸能人とかテレビで癌だって告白して、それで病気と闘うって宣言するじゃない？それって、自分の身体にも自己暗示かけることだと思うの。細胞の一つ一つに、負けないぞって・・
雅喜：・・まぁ、そういうのあるだろうなぁ
ルリ子：実際それで復帰してくる人もいるでしょ？
雅喜：そのままさよならって人もいるけど・・
ルリ子：それは寿命なのよ。雅喜は若い。だから寿命なんてことは絶対にないはず

雅喜：誰に宣言しろっての？俺何者でもないし、ブログもツイッターもやらない
ルリ子：・・まだ秘密にしてる人は？
雅喜：そりゃ何人かはいるよ。事務所の所長や、君が空気読めない女って思われた・・弥生とか？
ルリ子：私は空気を読めないけど・・酸素は読めるの。

雅喜：・・・なんのこっちゃ？
ルリ子：・・より癒しの空間よ？
クルミ：あぁ～、この部屋最初なんだ？って思ったけど、慣れると確かに居心地いいかも
ルリ子：でしょ？
クルミ：うん

ルリ子：とにかくその人たち。あ、あっくんにも宣言しなよ！めんどくさいからいっそのことみんな集めて！
雅喜：めんどくさいって・・・。あー俺風呂入ろ。・・少し、考えさせてくれ。実際知らされて、喜ぶような話じゃないんだし

ルリ子：・・・それ、絶対いいアイデアよ。ありがとうクルミちゃん
クルミ：え？いやあたし別に何も
ルリ子：あたしもお風呂入ってきていい？
クルミ：は？
ルリ子：リラックスしてる時の言葉は2倍に加算されるの。別にイチャつきたいだけじゃなくて
クルミ：一緒にって・・いいけど別に
ルリ子：じゃあ適当に食べてて？

シニカレ22話。