「ヒモトレ介護術」(浜島貫著、小関勲監修、日貿出版社)が、いよいよ発売になった。
アマゾンのジャンル別ランキングを見ると、社会福祉関連カテゴリーでトップ、介護カテゴリーで2位。上場の滑り出しのようである。
この本、僕は、「編集・執筆」という立場で関わっている。
自分が携わった本が売れるのは、素直に嬉しい。
ぜひ、多くの人に読んで欲しいと思っている。
「介護術」と銘打っているように、本の具体的な内容は、高齢者や障害を持つ人の介護の現場における、ヒモトレ活用法の紹介が中心である。
寝たきりのおばあちゃんにこんなヒモトレをしたら、足が動くようになった、とか、ずっと口から食べられなかったのに嚥下ができるようになった、とか、そんな話。
ただ、、この本の一番の見どころは、そういった「ヒモトレが○○に効いた」的な部分ではなくて。
むしろ、ヒモトレを使うことを通じて、ご本人や家族の間で、その人たちの生き方、人生哲学のようなものがいろいろと浮き彫りになっていく、その辺りの醍醐味が、実に、感慨深いのである。
要介護状態にあるような人にとって、「生き方」という言葉は、「死に方」と言い換えてもほぼ同義である。
どのように死んでいくのか。
そこを見据えて、いま、どう生きるのか。
そんな姿が、どんどん、あらわになっていく。
そこにヒモトレが入ってくることによって、どう生きるかの純度、というか、“嘘のなさ”が、引き上がっていくのである。
カラダが整うことで、ココロの中の“嘘のなさ感度”のような部分も、鮮明になっていくのだろう。
この辺が、実に、面白い。
介護とか、いま直接関係ない人にとっても、たぶんすごく面白い話になっていると思う。
何しろ僕自身が、書いていてとても面白かった。