さて、そもそもプログラミングとはどういうことをするのでしょうか。C++では、次の操作を行います。

 まず、ソース(ソースプログラム)とよばれるコンピュータにたいする命令を特別な言語で書きます。この言語にはいろいろなものがあります。それは、普通の言語にも、日本語や英語、ドイツ語、、、などといろいろ種類があるのと同じです。私たちはC++という言語を選びました。このソースがいわゆるプログラムなのです。

 ところでコンピュータはこのソースの内容を直接理解することはできません。ソースをコンピュータにわかる言葉(バイナリなどといいます)に翻訳する必要があるのです。 この翻訳をコンパイルといい、翻訳するソフトをコンパイラといいます。実はコンパイルするだけでは、まだ、そのプログラムを実行することはできません。そのあと、リンクとよばれる作業が必要です(リンクをしてくれるソフトをリンカといいます)。これは、コンパイルされたプログラムを実際に使える形につなぎあわせるということなのですが、初心者にはこの「リンク」はピンとこないと思います。このような知識はずいぶん先にならないと必要ないので、今は「ソースプログラムを実行可能ファイルにするのに、コンパイルやらリンクやらとよばれる作業がある」とだけ理解すれば十分です。

 このコンパイル・リンクは「処理系」などとよばれるソフト(ソフト群)が一発でやってくれますので、気にすることはありません。「コンパイラとリンカ」、あるいは「コンパイラ、リンカ、およびエディタなどを含む統合開発環境を提供するソフト」などを簡単に「処理系」などと言います。また、これらの作業で中心的役割をはたすのはコンパイラなので、全部をひっくるめて「コンパイラ」とよぶ人も多いと思います。厳密には誤りですが、上に書いた事情をわかった上で簡単に言っているのです。
 こうしてできあがった実行可能ファイルをコンピュータは理解して、実行してくれるわけです。

 以上をまとめると、プログラムを書いて実行するということは

1.ソースを書く
2.コンパイル+リンク
3.実行

ということになります。ここで、2と3は簡単にできます。自分のインストールしたC++処理系(つまりコンパイルやリンクをしてくれるソフト)が、クリックやコマンド一発でやってくれるからです。


C++プログラムを開発する便利なソフト(開発環境)は、多数あります。ここでは、Borland C++と、Visual C++ .NETの方法を簡単に紹介します。
プログラムそのものの説明は本文をご覧ください。

1.Borland C++
 Borland C++はあらかじめインストールしておいてください。これは、Borlandのサイトや雑誌・書籍の付録などにあり、無料です。インストール方法については、それらを参考にしてください。

 まず、メモ帳のようなエディタを使い(Wordのようなワープロを使うと、基本的には、コンパイルできないものになりますので、エディタを使ってください)、次のように入力し、ファイルをhello.cppという名前で保存してください。入力のときにはタイプミスをしないように気を付けてください。特に、以下のプログラムの文字は、すべて半角英字です。

//hello.cpp
#include <iostream>
using namespace std;

int main()
{
cout << "hello" << endl;
}

 また、保存するときには、ソースを置くフォルダを適当に決めます。私は、C:\cppというフォルダにソースを置くことにします。もちろん、別のフォルダを選んでもかまいません。いずれにしても、適当なフォルダを作って(あるいは選んで)、そこにhello.cppを保存します。名前が、hello.cpp.txtなどにならないように気をつけてください。


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 なお、一度書いたプログラムをメモ帳でまた開こうと、メニューの「ファイル」から「開く」を選択して、「開くダイアログ」を出しても、そのダイアログでプログラムが表示されないかもしれません。それは、メモ帳は、何もしなければ、○○.txtというファイルのみを表示するようになっているからです。そのような場合には、「開くダイアログ」の「ファイルの種類」を「すべてのファイル」としてください。それで、txt以外の拡張子のファイルも表示されるようになるはずです。

 次に、コマンドプロンプト(MS-DOSプロンプト)を開いてください。Windows XPなら、「スタートボタン」から「すべてのプログラム」「アクセサリ」「コマンドプロンプト」で、黒い窓が開きます。


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 このウインドウには、プロンプトとよばれる、コマンドを入力する場所があらわれます。上の図では、

C:\Documents and Settings\ken>

です。ただし、これは私の環境なので、みなさんのものは違うはずです。ここから、プログラムを置いたフォルダ(ディレクトリ)に移動します。私はC:\cppに置くことにしたので、そのフォルダ(ディレクトリ)には、

cd c:\cpp

で移動します。(つまり、「cd フォルダ名」とするわけです。)


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 プロンプトが変わりましたね。ここで、念のため、ソースプログラムがちゃんとあるか確認してみます。それには、エクスプローラも使えますが、ここで

dir

とすればよいのです。


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 上の図では、hello.cppが存在することが示されています。もし、ファイル名がhello.cpp.txtなどとなっていたら、

rename hello.cpp.txt hello.cpp

で、名前を正しく直すことができます。

以下に名前が違った場合の対処例を示します。


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 ここまでが、準備です。慣れていない人には大変だったと思います。実際、初心者が一番つまづくところは、この辺なのです。うまくいかなくても、簡単にあきらめず、いろいろためしたり人に聞いたりしてみてください。むしろ、少し時間をとっていろいろやってみる方が、あとで役に立つのではと思います。
 なお、ここまでの作業には、いろいろ別法があります。他の方法が好きな場合は、そのようにしてください。

 さて、ソースを書いたので、いよいよコンパイルとリンクです。Borland C++の場合、

bcc32 hello.cpp

とすれば、コンパイル+リンクされ、実行可能ファイルができます。さらに、その実行可能ファイルを実行するには、

hello.exe

とします。(実は、拡張子は書かなくてもかまいません。)
 実際のコンパイルと実行の画面は下のようになります。(ここで、私のコンパイラは、バージョンが5.6ですが、無料版は、5.5だと思います。)


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 最後の「hello」という出力が、hello.exeの実行結果です。

 なお、Borland C++にはいろいろな使い方があります。これについては、マニュアル等を参照してください。また、プログラムの説明は本文をご覧ください。

2.Visual C++ .NET
 Visual C++ .NETはあらかじめインストールしておいてください。また、それ以前のバージョンでも、操作感は違いますが、ほぼ同じことができます。

 まず、Visual C++ .NET(以下、VCと略します)を立ち上げてください。そして、メニューから「ファイル」「新規作成」「プロジェクト」を選ぶと、「新しいプロジェクト」ダイアログが開くので、そこで、プロジェクト名や場所を決めます。
 「プロジェクト名」は何でもかまいませんが、ここでは「hello」に、また、「場所」は「C:\cpp」にしました。また、上左横の「プロジェクトの種類」には、生成可能なプロジェクトの種類が表示されます(みなさんのものは違うかもしれません)。ここでは「Visual C++ プロジェクト」を選び、その右では、「Win32プロジェクト」を選びます。


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 そしてOKボタンを押します。すると、「アプリケーションウィザード」ダイアログが開きます。ここで、左の方で、「アプリケーションの設定」を選び、右では「コンソールアプリケーション」と「空のプロジェクト」を選びます。


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 「完了」ボタンを押すと、VCのメインの画面に戻ります。そこで、メニューから「プロジェクト」「新しい項目の追加」を選ぶと、「新しい項目を追加」ダイアログが開きます。
 ここでは、上右横の「テンプレート」で「C++ファイル」を選び、ファイル名を「hello.cpp」(拡張子はなくてもかまいません)とします。


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 ここで「開く」ボタンを押すと、VCの中ほどが編集画面になります。そこで、

//hello.cpp
#include <iostream>
using namespace std;

int main()
{
cout << "hello" << endl;
}

と入力します。


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 入力し終わったら、メニューから「デバッグ」「デバッグなしで開始」を選びます。(バージョンによっては「形式が古い」という意味の警告ダイアログが開きますが、そのまま「はい」ボタンを押してください。)これで、入力したプログラムがコンパイル+リンク(ビルド)され、実行されます。


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 上の図の「hello」という出力が実行結果です。ここで何かキーを押すと、「実行」が終了します。