敷金返還バスターズ活動日記【敷金・保証金診断士会】 -2ページ目

記憶の無い「キズ跡」

質問事項:

越谷市:    Y.Kさんから


: 先日引越しをしまして、現在請求されているものに関しての


質問があり、ご連絡させていただきました。

床に3つ程度傷があり、その補修代金として1つにつき4千円の請求がされてい
ます。
その傷はけっこうはっきりとした傷で、家具等を落としたときにできるものらし
いです。
しかし、その部屋には家具らしい家具は特に置いてはいなく、私としてもそのよ
うな傷ができる程のことをした記憶がありません。

入居時の報告書にはいろいろと記載したのですが、床の傷は小さなものを含め多
くあったので部屋毎には書かず、その他の欄にまとめて「床にいくつか傷がある
」というように記しました。部屋は友人と借りていたもので、友人と私の記憶に
よると、たくさんあるのでまとめてそのような記載で構わないと管理会社には言
われているのですが、現段階になってそのようなことは言った覚えがなく明らか
に私共が借りているときについたものなので支払えと言われています。
しかし、納得もいかずに支払うこともできませせん。
更に部屋を借りた当初水道の蛇口が緩いのですぐに直させるとのことだったので
すが、それも結局来ないままでしたので、信用ができず許可できない状態です。

しかし、先日一方的に直すという連絡が入りました。
このような場合はやはり私たちが黙って支払うしかないのでしょうか?

お答えいただければ幸いです。
よろしくお願いいたします


回答:

基本的にはこの立証責任はオーナー側にあります。

工事も、同意がなければその支払いは原則拒否できます。

朝日新聞に掲載されました。

朝日新聞(2) 平成17年11月19日朝刊に掲載されました。
<a href=http://www.geocities.jp/npo23122000/asahi2.html.jpg >朝日新聞</a>


管理会社アンメート調査

管理会社アンケート調査

アンケート 回答分析
                                
特定非営利活動法人
                                日本 住宅性能検査 協会


1.目 的 : 管理会社の敷金問題かかわる消費者・オーナーへの対応について現状把握を
目的 とし
       
アンケート を実施。アンケート 結果をまとめた。
2.調査時期: 平成16年7月6日~7月17日
3.調査地域: 
東京都 ・神奈川県・千葉県・埼玉県・茨城県
4.調査対象: 37社
5.調査方法: 上記調査地域における賃貸住宅管理会社332社(無作為抽出)に対して、FAXによる
アンケート
       回答を依頼。
6.回答率 : 11.2%
      (原状回復に関する
アンケート は初めてでとまどいがあること、敷金問題の透明性を高めることが
       将来の消費者および業界各社の利益・諸問題解決への理解につながるとの判断がつきかねている
等の
理由 を反映した回答率になったものと思われる。)

7.
アンケート 回答結果

1)使用契約書について

宅建 協会標準モデル 契約書使用          9社(24 .3%)
         
② 自社専用の契約書               28社(75.7%)


2)特約について

 ① 特約はない                    8社(21.6%)

 ② 特約あり                    29社(78.4%)


  特約の内容  (複数回答あり)
ハウス クリーニング 15社
・ 畳の表替え 8社
・ 滞納発生の場合再契約不可 2社
・ タバコのヤニの場合クロス張替え 2社
・ エアコンクリーニング 1社
・ 襖・障子張替え 1社
・ ペット不可 1社
・ 更新料の手数料 1社
・ 定期借家 1社
・ 配水管洗浄 1社
・ 火災
保険 加入 1社
・ クロス折半 1社
・ かぎ紛失 1社
・ 石油ストーブ禁止 1社
ピアノ 禁止 1社
3)消費者契約法について

 ① よく理解している                8社(21.6%)

 ② まあまあ理解している             23社(62.2%)

 ③ よくわからない                 5社(13.
5%

 ④ 無回答                     1社 ( 2.7%)


4)
CSR について

 ① よく理解している               2社( 5.4%)

 ② まあまあ理解している            12社(32.4%)

 ③ よくわからない               17社(45.9%)

 ④ 無回答                    6社(16.3%)



 ① 今後重要になると思う            15社(40.
5% )

 ② 思わない                   1社( 2.7%)

 ③ 無回答                   21社(56.8%)



5)入居立合いについて

 ① 行う                     9社(
24 .3%)

 ② 物件による                 10社(27.0%)

 ③ 行わない                  18社(48.7%)
 

6)退去立合いについて

 ① 行う                    27社(73.0%)

 ② 物件による                  7社(18.9%)

 ③ 行わない                   1社 ( 2.7%)

 ④ 無印                     2社( 5.4%)



7)オーナーに対して

 ① 原状回復の考え方をよく理解している     19社(平均23.8%)

 ② 話せば判る    33社(平均65.
5%

 ③ まったく理解しょうとはしない        17社(平均10.7%)



・原状回復の判例・ガイドラインなど判断すべき
基礎 となる情報 を伝えているか
 ① 常に伝えている               10社(27.0%)

 ② 時々伝えている               22社(59.
5%

③ 積極的に伝え難い               0社

 ④ 問題が発生した場合のみ            1社( 2.7%)

 ⑤ 無回答                    4社(10.8%)


8)原状回復時の見積書について

① 自社独自のもの               25社(67.
5%

② 下請け業者のもの              12社(32.
5%


9)敷金清算時間(払い戻し)について

 (割合負担確認後)
 ① 平均1週間以内                5社(13.
5%

 ② 2週間以内                  5社(13.
5%

 ③ 1ケ月以内                 22社(59.
5%

 ④ 1ケ月以上                  4社(10.8%)

 ⑤ 無回答                    1社( 2.7%)


10)家賃保証制度について

 ① 全物件                   0社

 ② 物件による                26社(70.3%)

 ③ していない                11社(29.7%)


11)回答
企業 従業員数について

 ① 5人未満                   6社(16.2%)

 ② 5~10人                  8社(21.6%)

 ③ 11~20人                 6社(16.2%)

 ④ 21人以上                 17社(46.0%)


    なぜ敷金問題のようなトラブルが発生するのであろうか。
    第一に。
アンケート にあるように全体の75.7%は自社専用の契約書である。その中には
   賃貸側に有利につくられる契約条項の問題がある。賃貸人には、貸主有利の契約条項や曖昧で
   多義的解釈を可能とする条項が記載された契約書締結の要求がある。ともすれば賃借人にこれら
   貸主有利の条項を押し付けがちである。こうした条項が賃貸借終了時に問題を発生させることになる。
    第二は。賃貸借契約に関する契約当事者の誤解や思い込みから生じるトラブルである。
   賃貸人は独自の解釈や契約書で契約を迫り、賃借人も又独自の思い込みや解釈で契約書に押印する
   という
日本人 特有の曖昧さと、思い込みから生じるトラブルである。賃貸人には、自ら課せられた
   説明義務を十分に尽くすことが求められるし、賃借人も契約内容をよく理解した上で、行動することが
   望まれるが、契約内容の曖昧さも手伝って、双方が誤解したまま契約を締結している場合が極めて
   多い。
    第三は、賃借人に泣き寝入り体質が賃貸住宅トラブルの予防と救済を遅らせる。
建物 の賃借には
   どうしても賃借物件の磨耗や損耗・毀損が伴う。 賃借期間が長ければ長いほどその傾向は強まる。
   借主は明渡し時に精一杯の清掃をしたとしても賃借後の損傷等により価値の低下を余儀なくされる。
   これは借主側からすると賃貸人に対する負い目の原因になり泣き寝入りもやむなしとの意識を
   生じさせる。その結果、真のトラブル解決に至らないまま次の賃借人との間でも同じ問題が繰り替え
されることになる。
    第四は、いわゆる訴訟の問題がある。そもそも賃貸住宅トラブルは、争いとなる金額が少額で
   あることもあり、裁判費用や
弁護士 費用をかけてまで裁判に訴えたり弁護士 に依頼しようとする人
   は少ないのが現状である。
    こうした事情に加え、最近のトラブル増加の原因として低金利時代を反映した賃貸住宅投資策と
   素人
経営者 の出現という問題がある。民間賃貸住宅は今がチャンスだと、ハウス メーカー、信託銀行、
   農協は土地所有者に有効活用として賃貸住宅経営を薦める。最近流行の家賃保証も経過年数・
立地条件で解約もあり、莫大な銀行借入で建設した賃貸住宅の支払いが気がかりとなる。勢い、
定期清掃のキャン
セル 等の管理をおざなりにし、賃貸借契約終了時には敷金等の返還を拒絶したりする。
中には賃借人には原状回復の義務があるなどとして敷金以上の費用を要求することもある。
こうした、トラブルの原因を消費者、オーナーとりわけその仲介をする管理会社は率先して、現状の
問題点を正しく認識し問題解決に当たる必要があると考える。

アンケート 結果から現状の問題点を踏まえ敷金問題(原状回復問題)を解決するには
1. 自社専用の契約書(全体の75.7%)から「賃貸住宅標準契約書」に使用変更すること。
2. 消費者契約法の徹底的な遵守を図ること。
3. 入居立合いの実施を行うこと。
回答では全体の
24 .3%しか実行していない、入居時の
状況が判らなければ、退去時での入居者の毀損・破損・汚損の判断ができない。
トラブルの原因となっている。
4. オーナーには常に接し、啓蒙活動を行うこと。
「自社制の原状回復ガイドライン」を作成
し根気よく接し、逆にオーナーから信頼を受けた管理会社もある。
回答では「原状回復をまったく理解しようとはしない」が10.7%だが公平・公正の
原則は必ず理解される。59.
5% が時々説明するとの回答だ。この頻度を上げる
事が、信頼を勝ち取る方法であり
仕事 もやり易くなる。
管理会社の入居者の信頼にも繋がる。
5. 原状回復工事は自社製の見積書より下請けからの見積書を入居者に提示すること。
6. その他、
アンケート 回答に「第三者機構で原状回復査定 士のような人材の育成」を求める声がある。新たな第三者機関を創設し公平な視点で問題解決に当たることのできる人材を認知・育成することは必要であると考える。
* 「日住検」認定
資格  原状回復相談 員セミナーが9月より開講

付録1.
アンケート 結果補足
                    分 析 内 容


依然として自社専用契約書を使用する管理会社が多い。契約書の中に住宅の賃貸借契約書として規定しておく
べき事項が規定されていないこと、また、規定されていたとしてもそれが法令や判例を踏まえていないことが
トラブルの原因になっている。業界の指導力や管理会社の認識がまだ不足している。
監督 官庁は仲介業を営む業界団体等に次の経緯で通達を発している。
平成3年10月、住宅宅地審
議会 に対して「賃貸住宅標準契約書の作成について」の諮問を行い、審議の上、
平成5年1月29日、建設大臣に対し「賃貸住宅標準契約書」の答申がなされた。
建設省では、平成5年3月、この「賃貸住宅標準契約書」を広く周知するように地方公共団体や業界団体等
に通達を発している。

  
特約条項があった場合でも、文言通り、敷金から控除されるとは限らない。
賃借物の「通常の使用」に必然的に伴う損耗等、時間の経過によって生じる自然的な劣化、損耗等については、
特約があっても原則として敷金から控除できないとされている。
このようなことが認識としてひろがり、あえて特約を表示しない管理会社が増えていると思われる。
   
      
  消費者契約法を「よく理解している」と「まあまあ理解している」を合わせると83.8%。
消費者契約法10条による無効判決が連続してでており消費者契約法の認識(83.8%)が
広がってきていると思われる。

【消費者契約法の抜粋】
   (消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
    第10条 民法、商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、
    消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、
    民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、
    無効とする。
 【消費者契約法に関連した判例】
    敷金返還訴訟:敷引特約は無効 (大阪地裁平成15年10月16日判決)
    賃貸
マンション を期間10年で契約、入居6ヶ月で転勤のため退去した会社員の男性が、
    敷引き特約(保証金40万円・敷引30万円)により返還されなかった30万円の返還を求めた
    訴訟で、大阪地裁は全額の返還を命じた。
    敷引特約は関西地域では一般的だが、男性はこの特約の無効を主張したもの。敷引特約について
    判決は、「内容が明確で合理性があり賃借人に一方的に不利益でない限り尊重されるべきで、
    敷引特約が直ちに公序良俗に違反し、あるいは信義則に反して賃借人の利益を一方的に害する
    ものとはいえない」と判示。その上で本件賃貸
マンション について、「契約時に十分な説明が
    なく、入居期間は約6ケ月に過ぎない。原告の責めに帰すべき物件の損傷はなく自然損耗も
    殆ど考えられない」と認定した。また途中解約に伴う家賃
収入 は「次の入居者を見つけることで
    容易に回復可能である」とし、期間の長短に拘わらず一律に敷引する敷引き特約は「民法及び
    借地借家法等の関連法規に適用による場合に比し、消費者の権利を制限し義務を加重する条項
    であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項であるといえるから消費者契約法
    第10条により無効であると」と結論した。

   
企業 の社会的責任」と一言でいっても、多くの意味が含まれる。簡単に説明できないのが難しいところだ。
とはいえ、ある程度の共通認識が形成されている。それは次のような点に集約されるだろう。
● 人々の
健康 や安全を保障する。
● 社会の
改善 や生活の向上 に貢献する。
● 環境保全に努める。
● 不正を行わず、
情報 を開示する。
● 差別のない安全・衛生的な労働環境を提供する。
最近は、こうした課題に積極的に取り組むことが「競争力につながる」という事も、証明され始めている。
事業の明暗を左右しうる人たち、つまり従業員、消費者、供給業者、請負業者、政府当局、報道メヂイアなど、
全ての関係者に対して責任を果たしていくことで、信頼関係を築き、評価を上げ、結果的には売上につながっ
たと証言する
企業 も存在する。
今回の賃貸業者の意識調査では、「よくわからない」「無回答」で62.2%と認識度が浅い。
企業 の社会的責任」を自覚する企業 が増えれば、業界の発展が図られるものと考え、業界全体で透明性を増
す等の将来の評価基準を見据えた行動計画を練らねばならないと思う。

          

原状回復問題のトラブル防止で重要なことのひとつに、入居時の状況を把握することがある。
アンケート の結果50%以上が入居立合いを行っていないことが判明した。
立合いを行うか否かは各管理会社の裁量であり、この
ルール 付けが必要であるが、業界団体で実施の方向性
を示し、徹底する必要があると考える。
今のままの意識ではトラブル防止は難しいのではないか。
原因


  敷金清算のために必要な行為であり、80%以上は実施しており評価できる。


  敷金問題で重要なのは実はオーナーの意識である。
  現状では民間賃貸住宅の仲介・斡旋に関与する宅地
建物 取引業者の多くは、不動産 取引仲介業務だけでなく、
賃貸住宅
経営者 たる賃貸人から委託を受けて賃貸住宅の仲介・斡旋・管理業務をとりおこなっている。
しかし、もともと
宅建 業者は賃貸住宅の仲介・斡旋が主たる業務であるので、仲介・斡旋をして賃借人に部屋
のかぎを渡した時点で本来の業務は終了するはずである。
  しかし
宅建 業者の多くは、賃貸人から新たな賃貸について仲介・斡旋業務の委任をうけようとして、
  その後も賃貸人に代わって管理業務を継続することも多い。
宅建 業者は賃貸人からの委託がない以上、仲介・
斡旋や管理業務がなしえないから、いきおい賃貸人から賃貸人有利の契約約款でこれら業務をするように仕向
けられたり、賃貸借契約終了時に賃貸人からの敷金等の返還拒否や原状回復業務を
理由 とする費用要求の代行
をせざるを得ない状況に追い込まれる場合がある。
  このような
宅建 業者に無理難題をもちかける一部の賃貸人の存在がトラブルの一因となっている。
「いやなら他の
宅建 業者に仕事 を回す」などの理不尽な要求をかざす賃貸人に対しては、もはやこうした
  理不尽な要求は通用しない時代になってきていることを認識させる必要がある。
  本来は
宅建 業者が賃貸人に独立 対等の立場で賃貸住宅に関する専門家として素人たる消費者の間に立って,無
用なトラブルを防止し
情報 弱者である消費者の利益擁護をしなければならないが、賃貸人との一種の従属関係
で業務が成り立っている以上、難しさも理解できる。
しかしながら、業界の健全なる発展を考え、あらゆる手を使い
情報 伝達例えば、「独自のマニュアル 作成配布」
を行うことや、接触頻度を高めることで
改善 するする方法しかないと考える。


  70%近い管理会社は自社独自の見積書を作成して入居者に提示している。これはそこに大きな利益構造が構
築できる要素があるからである。独自の見積書の中には一般
相場 から30%~40%も高い単価で作成されて
いるものが見受けられる。独自の見積書であっても、適正な利益(10%)の上乗せならば許容範囲と思われ
るがそれ以上であれば
情報 弱者である入居者を利用しているとしか思えない。
入居者はその単価の妥当性が良くわからないのであるから、下請け業者からの見積書をそのまま使用し提示さ
れるほうが安心である。
(下請け業者は、自分の定めた単価は一般
相場 を睨みはじき出された単価であると自負している。)



  管理会社の70%はこの家賃保証制度を利用している。
基本的には入居率の高そうな物件を選び契約をしている。
オーナーも空部屋がでると
収入 に響くので多少一般相場 より低い家賃設定であっても確実性を選択している。
  管理会社にとって家賃保証制度のメリットは、
1、 賃料
2、 敷金
3、 更新料
4.管理費用  等の預かりである。
  一般的には敷金・保証金は預かり金として計上している。
  これはキャシュフローとして管理会社にとってかなりメリットがあり、家賃保証制度により急激に
  伸びた会社もある。但し、潤沢な資金により子会社等を作ったが、うまくいかず
不良 資産化した例も
  かなりある。
  ここで問題なのは、誰でもが参入でき、家主の資産を扱うという重大な責任を負うにもかかわらず、
その会社の健全性・安定性を判断・評価するシステムがないことである。
誰しもがわかる評価システムを早急に構築する必要がある。

朝日新聞にコメントが掲載

11月12日(土) 朝日新聞 日付け平成17年11月12日(土)に「日住検」のコメントが掲載されました。
朝日新聞