お父さんの相手は、出張先でよく言ってた中国人だった。
パソコンには、中国語で会いたい、好き、今度いつ来るの?と言った言葉がたくさん書かれていた。
お母さんの不倫を見てた私には、あんまりショックじゃなかった。
もう終わってる、格好だけの夫婦ってことはわかってた。
日曜日には一緒に買い物に行って、形だけはたまにデートして、バレンタインや誕生日もプレゼントを贈っていても、やっぱり形だけというのはわかってた。
お兄ちゃんは気付いてたのかな?
わからないけど、たぶん気付いてないと思う。
気付いてなかったらいいな。
私が家族で本当に心を許せるのは、お兄ちゃんだけになってた。
お母さんは色んなところにわたしを連れて行ってくれたけど、成長した娘をマスコットのように見せびらかしたいだけというのはわかってた。
こんな大きな娘がいるんですよ。
でも、私もまだまだ綺麗でしょ?
この子、私にそっくりでしょ?
手はかかるけど、大事に育てたから、反抗の一つもしないの。
今度有名大学に進学が決まってるんです。
費用? 旦那が稼いでるから大丈夫なの。
どこに行っても言うことや、本音が聞こえてくるようで、私はいい気持ちではなかった。
お父さんはますます家に居なくなっていて、年に何回かしか見ない状態だった。
家にいるときは、お父さんはひたすら世界で見てきたものの話をしていた。
私は黙って聞いていたけど、いつも思ってた。
それは誰と見たものなの?
横に女の人が一緒だったんだよね。
だってデジカメのデータ、パソコンに移してるけど、女の子と撮ったやつはロックかけてるもんね。
私が何も知らないと思ってるの?
お父さん、お母さん。