Jun. 01, 20254

【大沢在昌著/文藝春秋】

 

 

鮫シリーズ以外はあまり読んでこなかったが、本作は9年ぶりの

「魔女」シリーズとか。

祖母の手で売春の島に売られて、10数年後に脱出した水原。

ある恩人の依頼で13歳の少女を京都に運ぶのだが、帰路、少女は

何者かに連れ去られてしまう。

少女と水原の謎めいた因縁。

亡き父が少女に遺したという巨額の金を狙う組織、水原への復讐

を企む女など、収拾のつかない争いが繰り広げられるストーリー。

登場人物が多くて苦労するが、ハラハラドキドキの一気読み。

 

May. 29, 2024

 

JA旬彩蔵にLサイズの青梅が出たので、今年は3kg購入。

坂本謙二さん作。1kg 800円

1kgあたりのレシピは、

上白糖 1100g(昨年は1200gだったが、容器都合)

米酢 100ml

 

 

今年は梅酒はパスして、お後は梅干しかな。

May. 29, 2024

【水村 舟著/小学館】

 

 

警察の不正を暴こうとして訴訟を起こす弁護士と受けて立つ訟務係。

裁判に勝利することのみを命題に、両者とも事実の隠蔽と証拠の捏造

を厭わない泥仕合合戦小説。

交通巡査から訟務係に異動する新米警官は、目をつむりたくなるほどの

愚かさで、泥仕合に拍車をかける役割を演じている。

冤罪や検察の不正にまじめに取り組んでいる当事者に失礼ではないかと

の危惧も禁じ得ない。

「警察小説新人賞」受賞作らしいのだが、うーん、そうなのか?

 

May. 26, 2024

【柚月裕子著/中央公論新社】

 

 

家裁に送られた後の「補導委託」という制度の受け入れを突然宣言した

南部鉄器職人の父。

寡黙で家族愛などと無縁と思っていた父の申し出に戸惑う38歳の息子。

癌で亡くなった母の記憶とともに、父に対する不信感は募るばかりだ。

家裁から送られてきた16歳の少年にも家族との軋轢があった。

散々苦労して弁護士となった父は、経済的に苦しまずにすむ道を息子に

強要、母も父の言い分をただただ受け入れて少年に接していた。

学業における自らの限界を悟った少年は父から圧力に耐えきれず、万引

きなどの非行を繰り返すことになっていた。

冷害が貧しい農民たちを散々苦しめていた当時の東北地方で育った世代

と、親子の異なる価値観に子供たちの心がきしむ現代。

取り上げた時代背景や人間関係のやりとりに新たな発見を感じることが

できず、いまひとつ読み応えはなかった。

 

 

May. 24, 2024

【今野敏著/新潮社】

 

 

竜崎の同期でトップの成績で入庁した八島が、福岡県警から神奈川県警に

異動してくる。

同期でトップまで上り詰めるのは一人しかないというキャリア官僚の定め

を意識している様子に加え、福岡でのよからぬ風評もあって落ち着かない。

そんな折、横須賀の公園で他殺体がみつかり、目撃情報から刃物を持った

白人が米軍基地の方向に歩き去ったという。

米軍への情報提供、地位協定との兼ね合いなど、悩ましい事件の様相への

対処が読みどころなのだが、少々安直な感も。

まあ、エンタメ小説ですから。

May. 22, 2024

【髙田郁著/ハルキ文庫】

 

 

シリーズ登場人物のその後を描いた特別編の下巻。

8代目店主周助が退任後に目指す桔梗屋の新たな復興。

江戸で小間物商を営む菊栄の飽くなき商魂。

江戸出奔後に行方が描かれていなかった幸の妹、結のその後。

九代目店主で夫でもある賢輔と幸が、世代を超えて伝え遺すべき

五十鈴屋の商道をあれこれ考えるさまなど。

続編があるようなないような、おもしろく読んだシリーズでした。

May. 20, 2024


地元産のらっきょうが旬彩蔵に出たので3kg購入。

 

天満正則氏作で@700円×3(税込)

 

安価なうえに大振りでよさげならっきょうでした。

<甘酢漬けレシピ>

下処理して乾かしたらっきょうを消毒したボトルに投入。

米酢650ml

さとうきび糖350g(NHKレシピの70%程度)

塩大匙3.5を

鍋で一煮立ちさせて、らっきょうを入れたボトルに注ぎ込む。

 

 

とりあえず本日は2kgで続きは明日。

 

5/21 1kg 追加しました

May. 19, 2024

【今野 敏著/新潮社】

 

東京都と神奈川県の境で他殺体が発見される。

被害者は中国人であることが判明。

警視庁との合同調査に加え公安も噛んできて事件は複雑な様相

を呈していく。

中国との政治的な関係を気にする論点と、意に介そうとしない

竜崎の論点がぶつかり合う様が今回の見どころか。

 

May. 17, 2024

【今野 敏/新潮社】

 

 

私鉄、そして都市銀行のシステムダウンが発生。

時を同じくして少年院帰りの不良少年が他殺体で発見される。

一見無関係に思えた事件が重なっているのではとの予見を元に

竜崎の捜査が進む。

今回は神奈川県警への異動内示もあって感傷的な描写も散りば

められている。

結末は早い段階から予感されていて、小説としては醍醐味に欠け

るが、このシリーズのパターンと割り切って読めばよいのかな。

May. 15, 2024

【ガルシア・マルケス著/新潮社】

 

 

著者が認知症になる直前に書き進めていた未完?の作品。

遺族の意志で刊行に至ったという。

母の遺言で、カリブ海の小さな島に埋葬した墓に毎年8月、40代半ば過ぎ

の娘が訪れる。

19歳の時処女のまま現在の夫と結婚、2児に恵まれて幸せな家庭を築いて

きたはずの彼女が、墓参りの後見知らぬ男と一夜を過ごす。

未体験の出来事が年に一度の冒険となりそうで、明らかに彼女の内なる精神

に変化が芽生え息づいていく。

消化できない自身の変容に戸惑いながら、中年の頃に亡くなった母もまた、

自分と同じようなことを繰り返していたのではないかとの疑念がもたげる。

そして彼女は母の遺骨とともに島を去る。

作者が細部を練り上げる前の、そんなストーリーでした。