「患者力」ってナンだろう?~後編~ | hiro-chanのsmile日記

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2014年9月に乳がん発覚。
手術、化学療法を経て現在、経過観察中。
乳がんと向き合いながら日々のできごとや想いを綴っていきます♪

前編からの続きになります。

 

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3.パネルディスカッション

患者力を高めるために

・知識も必要だが「どう生きたいのか」が治療の選択をするときに最も重要だと思う。

その治療を納得し向き合うには「どう在りたいか」「どう生きたいか」。

価値観によって治療も違ってくるので、その上で選択したなら後悔なく納得できるのではないか。(大野先生)

 

・人それぞれ違う。納得して治療を受けるためにも疑問や不安は勇気を持って聞き理解するのが大切。(がん専門薬剤師 原田先生)

 

・納得して治療を受けるためには自分の知りたいこと、聞きたいことを率直に聞いて納得することが大事。上手に話せなくても良いので。(乳がん看護専門看護師 高橋さん)

・乳がんになっても生きがいを持つことが元気に繋がる。患者力は一つのパーツ。

独りぼっちにならないなど孤立せず社会と繋がることが大切。(乳がん体験者の方)

 

・自分のやりたいことを後押ししてくれた主治医や看護師その他の医療スタッフの存在が大きい。自分にとっての患者力は何かあらためて考えさせられた(乳がん体験者の方)

 

・「患者力」は患者さんだけに求めるものではない。患者さん~医療者の相互的なものだと考える。医療者も患者さんが患者さんらしく生きていくために支える力を持たなければならない。患者さんが「患者力」を高められるように医療者も支えていく。

そういう相互的なものだと考える。(勝俣先生)

 

~感想~

1.について

・新しい化学療法として14日毎に薬剤投与を行う方法が登場していることを知り、現在使用できる薬剤の薬効を治療に生かすための研究が日々なされているのだと感じました。

・患者にとって有益な臨床試験結果が1つの論文として発表されても、同じような試験結果が何本も出されてシステマティックレビューされ「効果あり」と評価されなければ標準治療にはならない。新しい薬剤や治療法が数多く臨床試験で比較検討されて、一日でも早く患者の元に届いて欲しいと思います。

 

2.について

がんが治ったり予後の改善につながるエビデンスは残念ながらまだないが、補完代替療法によって心が落ち着きリラックスしたり、不快な症状が改善・軽減されたり、体調維持ができることでQOLを落とさずに日常生活を送るツールとして上手く活用していけたら良いのではないかと感じました。

「補完代替療法」を自分の中でどう位置づけするのかが大事だとも思います。

いずれにしても、あやふやな情報が多い中で信頼性が高く正確な情報をキャッチするアンテナが患者には必要だと考えます。

 

その他参加者による事前アンケート(回答数188)から感じたこと。

・治療を決める際「悩まなかった」「少し悩んだが、納得して始められた」と答えた人の理由として約60%の人が「主治医を信頼しているから」「主治医に相談できたから」と回答している。

 

一方で「とても悩んだ」「悩んでいる」と回答した人の理由として「主治医の説明が理解できなかったから」「主治医に質問・相談できなかったから」と約50%の人が回答している。

 

いずれにしても「主治医」のファクターが大きい事を示したアンケート結果であると言える。

また「もっと情報を得たかったが、どこに情報があるのか分からなかった」と約20%の人が回答しており、情報過多の中で自分の探したい情報をチョイスするのに迷う傾向も見える。

 

・あなたにとって「患者力がある」とはどのようなことだと思うか?の問いには「どのような治療をうけたいか、自分の意見をきちんと持っている」「主治医の説明を聞き、きちんと質問できる」と約40%の人が回答。

 

医師にも事前アンケートを行っており(回答数17)、医師が患者に求める「患者力」とは?の問いには「どのような治療を受けたいか自分の意見をきちんと持ち、主治医の説明を聞いてきちんと質問できる」と約50%の医師が回答している。

 

患者自身が「どう生きたいのか。大切にしたいことは何か。その上でどんな治療をしたいのか自分の考えを持つこと。そして主治医の説明を聞いて、疑問や不安があればきちんと質問し、自分が納得して治療を受けること。」を考え、治療に関わる医療者側も患者が治療に対して建設的な考え方ができるように患者に寄り添って支えていくこと。

 

勝俣先生が話されたように「患者力」は患者だけが努力して獲得するものではなく、患者~医療者の相互的な関係が患者一人一人の「患者力」を高めることにつながっていくのだろうと私は感じました。

 

~患者として私が考えること。~

乳がんという疾患に対する基本的な知識を知ること。

自分の病状や状況をきちんと把握すること。

疾患の知識というと「医療の専門用語が多く、難しくて分からない」と思う方も居られると思います。

手術なら「術式がどう」とか薬物療法なら「この薬剤は~、この併用方法は~」などと専門的な知識が必要なのではなく、基本的な知識で充分だと私は考えています。

乳がんに対する治療の大まかな流れ、手術なら「温存か全摘か」「再建するのかしないのか」「どんな再建方法があるの?」「するなら何時?」そしてリスクとベネフィット。

薬物療法もその治療を受けるリスクとベネフィットを。

放射線治療についても同様に。

乳がんの治療に関する知識としては最低限、このくらいを知っておけば治療を選択する上で大いに役立つと考えます。

※日本乳癌学会のHP、「患者さんのための乳がん診療ガイドライン」などとても参考になると思います。

どんな治療でもリスクとベネフィットがあることも忘れずに。

 

その上で、これからどんな風に生きていきたいか。何を大切にしたいのか自分の心と向き合って。

自分の想いとマッチする治療法を主治医と相談し、アドバイスをもらいながら最終的に自分で決断する。

そんな風に治療と向き合うことができたなら、きっと納得し後悔しない生き方ができるのではないか。

経過観察中の今、私自身どう生きていきたいのかをこれからも自問自答していくのだろうと思います。

 

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いつもながらの長い長いレポートにお付き合いくださって本当に感謝ですハート

ありがとうございますピンクリボン

 

この記事がどなたかの背中をそっと支えるきっかけになったなら幸いですピンクリボン