ムービープラスで視聴。



ルキノ・ヴィスコンティの映画、"ベニスに死す"で一躍有名になったビョルン・アンドレセンのドキュメント映画です。


"ベニスに死す"は、マーラーをモデルにしたと言われる老作曲家が休暇で訪れたベニスで美少年"タッジオ"に魅了され、疫病が流行る中で滞在を延ばした挙句に悲劇的な最後を迎える話です。


ヴィスコンティはバイセクシャルを公言していた映画監督で、凄まじい執念でこの美少年役の俳優を探したようです。

タッジオ役は金髪碧眼でなければならないということで、何千人もの美少年をオーディションしました。

このドキュメント映画の中でも少しだけ描かれていますが、美少年を厳しい目で値踏みするヴィスコンティの姿は結構怖いものでした。

嫌らしいとかを通り過ぎているのです。


結果、オーディションで選ばれたビョルンは綺麗なのは間違いなく、"ベニスに死す"は日本でも大ヒットしました。


実際は凄まじいセクシャルハラスメントと、搾取で酷かったようです。

ゲイコミュニティを連れ回すようなこともしたようです。


映画の大ヒット後のビョルンは日本でも大人気となり、チョコレートのCMに出たり、ワイドショーに取り上げられたりします。

この日本での出来事は、象徴的な出来事として映画内でも紹介されます。かなり異様な雰囲気は十分に伝わってくるエピソードです。

この超多忙な中、薬物を勧められたりもしたようです。


精神的にも追い詰められたビョルンは、トラウマを抱え、紆余曲折の人生を送ります。

70歳近くで出演した映画では、話題にもなったようです。


時節柄、色々と考えさせられる映画です。


2023年6月視聴しました。