アパレルの世界には面白いルールが色々あります。
製造コストがこれくらいだったら、売値はこれくらい、とか、
このブランドだったらこういうものはいくらくらい、とか。
作った人が「この値段はいくらです」と言えばその意思はきちんと尊重され、
それを売る人はそれを約束として遵守します。
でも6月30日に1万円だったものは7月1日から6000円になります。笑
「このジャケット良いな」と思っても、値札をみて
「ん?5000円?あんまり良くない気がして来た」
みたいなことも恐らくあります。
誤解を恐れずに言うと、そういう価値観ばかりでは
物足りないしつまらないと感じ始めたのが、
Now,you know というshopをつくった理由の1つです。
ここでは50年以上前の服や、もっと古いアンティークの家具も売っています。
それらの値段は言い値です。
まさか50年前の貨幣価値から計算・・・なんてしませんし、
いくらで仕入れたからこれくらいにしないとおかしいだろう、
という考えもありません。
良いと思うものだから手に入れた。
だからずっと手元にあってもいい。
でも気に入ったものを手放す、譲るんだったらこの金額は頂きたい。
という考えに基づいた言い値です。
うんちくも極力無し、ということにしています。
絵を買う、という機会を持つようになってから、(とても稀な機会ですが)
そういう店を作りたい、と思う様になりました。
絵には、このサイズだからいくらくらい、とか
何年前のものだから、これくらいはする、みたいなルールがありません。
何百万、何千万で売っていても偽物だったり、
誰が書いたかわからなくても、どうしても欲しくなったり。
絵を前にした自分が何を感じることが出来て、
それがある毎日はどんなだろうかとか、
所有できることの満足感とか、
もちろん、どんな方から譲り受けることができるかも重要で。
それらの対価としての金額が、今の自分にとって妥当か、否か。
その判断を自力で行う、という行為。
結構勇気が要ります。
でも、
みんなも知ってるものだから安心、(聞いたこと無いから怪しい)
雑誌であの人が勧めてたから買う、(初めて見たから一度ネットでしらべてみよう)というのは
そのモノではなく、
世間一般の価値観にお金を払っているような気がして、
ではなくて自分自身の価値観にお金を払う、
という方が楽しいし、必要なんじゃないかと。