ボクが喜働力塾の卒業プレゼンで、「親と先生の絆を深められるきっかけの場を作りたい」という夢を話しました。意識していると、様々な場面でヒントをもらえるものです。
先生 その160
美玖ちゃんママは、5年生の娘さんと、2年生の息子さんのお母さん。家が近所というだけでなく、娘さんと昌弘は同級生だし、おゆきちゃんと彼女は「絵本の読み聞かせボランティア」仲間でもあります。
昨日お話した山元加津子さんの講演会にも、「私も行きたい」ということで、ぼくら夫婦と一緒に参加してくれました。彼女もまた、1月に観た「1/4の奇跡」に感銘を受けた人の一人です。
実は彼女の息子さんは自閉症なのです。彼女が子どもたちの通学に付き添うようになったのは、息子さんが入学したことがきっかけでした。
ボクも何度も息子さんと会っていますが、パッと見は自閉症児には見えません。しかし、何かの拍子に自分の行動が抑えられなくなってしまうことがあるらしいのです。
今ではママだけでなく、お姉ちゃん、そして登校班の子供たちみんなで、彼を見守ってくれています。
美玖ちゃんも、ママの姿に影響をされたのでしょう。弟の面倒をよく見るしっかりしたお姉ちゃんであり、他の同級生や下級生の子供たちの世話を焼く、優しい女の子に成長しています。
息子さんのことで、彼女は学校の先生に相談に行く機会が多いようです。
時には、クレームをつけているように見えて、構えられてしまうこともあったようですが、結果として先生との絆が深くなったケースが多いようです。
彼女はまず、自分の思いを率直に語ります。そして、先生の思いを聴いて「一緒にいい方向に歩んでいきましょう」という結論に達します。
お陰で、息子さんをきっかけにして、担任や特別支援担当の先生との絆が深まったと言います。
先生と保護者のトラブルは、お互いの思いや価値観を、理解できていないところから始まります。
それが分からぬまま、感情的に意見をぶつけて「なんて親だ」「なんて教師だ」と、お互いに平行線のまま交わらないケースを、ボクは何人も見てきました。いや、自分もそうなっていたかもしれません。
何度も言いますが、きっかけが子供を思う気持ちでも、大人が勝手に喧嘩してしまえば、子供が落ち着ける居場所はドンドン減っていくだけです。
でも、美玖ちゃんママは「息子がきっかけで、先生たちの考えや事情を知ることができた」と言います。
そうだ、こうやってお互いを理解しあう人間関係を作りたかったんだ!
彼女の話を聴きながら、ボクのイメージがちょっと具体的にみえてきました。うちら夫婦と楽しくお喋りしながら、宇都宮まで行ってくれたことに、ありがとうです。