桜はどうやって春を知るのか?暖かくなると咲く本当の理由


桜って、どうして暖かくなると咲くんだろう?


誰かが「春ですよ」と教えているわけでもないのに、毎年ちゃんと咲く。

そこには、偶然ではない仕組みがある。


花はもう夏にできている


代表的な桜、ソメイヨシノ では、花のもとになる「花芽(はなめ)」は前年の夏にすでにできている。


春に突然つくられるわけではない。


夏に準備し、そのまま長い待機期間に入る。


冬を経験しないと咲かない


桜は冬に「休眠(きゅうみん)」状態になる。


そして、一定期間しっかり寒くならないと目を覚まさない。

これを「休眠打破(きゅうみんだは)」という。


つまり桜は、


「ちゃんと冬が来たか?」


を確認している。


春の暖かさだけでは足りない。

冬を経験することが必要なのだ。


暖かさはどうやって感じるのか


桜に温度計はない。


けれど、細胞の中のタンパク質や酵素は温度で働き方が変わる。


気温が上がると、


・成長を止めていた働きが弱まり

・成長を促す働きが強まり

・細胞分裂が活発になる


そして花芽がふくらみ、開花する。


桜は「暖かい」と考えているわけではない。

体の中の化学反応の変化で、春を知っている。


積算温度(せきさんおんど)という考え方


桜は、毎日の平均気温を少しずつ足していく。


3日間が

8℃、10℃、12℃なら、


8+10+12=30


というように、暖かさをコツコツ貯めていく。


この合計が一定に達すると、開花する。

これが「積算温度(せきさんおんど)」だ。


なぜ“足し算”なのか?


桜は一日の暖かさでは動かない。


暖かい日が続くことで、細胞の活動が少しずつ積み重なる。

桜が見ているのは「暖かさの量」だ。


もし一日だけ暖かくても、翌日に霜が降りれば終わってしまう。


だから桜は、時間をかけて確認する。


減るのではなく、溜まる。

引き算ではなく、足し算。


それは、生き残るための知恵だ。


夏に準備をし、

冬の寒さを越えて、

はじめて春に花を咲かせる。


それが、僕たちの好きな桜の物語なのかもしれません。