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世界の専門店

3月18日【木】の日経新聞において、
世界の専門店09年度の売上が記載されていました。

                       (単位:億円)
09年度売上
順位  企業名        国       売上
1位   H&M         スウェーデン  16,586 
2位  インディテックス   スペイン    15,884
3位  ギャップ        米       14,197
4位  リミテッド・ブランズ  米       8,632
5位  FR          日本      7,354

08年度売上
順位  企業名        国       売上
1位   インディテックス   スペイン    14,688
2位   ギャップ        米       14,526
3位   H&M         スウェーデン  13,379
4位   リミテッド・ブランズ 米       9,042
5位   FR          日本      6,459


SPAモデルの草分け的企業のGAP社やリミテッド社の後退が見てとれます。


80年代後半から90年代にかけて、ベーシック、
かつ単品のカジュアルウェアを計画生産、販売して成長したGAP社、
リミテッド社といった企業を第一世代、

90年代後半から急激に拡大した、
短サイクル生産でファッション性の高い商品を販売するH&M社や、
インディテックス社を第二世代と一般的に呼んでいるようです。


ここで注目すべきは、第一世代のGAP社、リミテッド社が
ここ数年の業績が低迷しており、すでにリミテッド社は傘下のブランド、
エクスプラスを売却【2007年7月】。
売却額は約660億円で投資ファンドに売却。


そして関心が高いのは、社名の由来でもある中核ブランド、
リミテッドも資本の75%をプライベートエクィティの
サンキャピタルという企業に移転しています。


今後はヴィクトリアズシークレット【下着】と
バスアンドボディワークス【化粧品やタオルなどヘルスケア商品の専門店】
に資源を集中していく方針のようです。


リミテッドとエクスプレスは既存店割れがここ数年近く続いているのに対して、
ヴィクトリアズシークレットとバスアンドボディワークスは
二桁成長している状況での決断と思われます。


また、GAP社はポロシャツなどのカジュアル衣料を中心に、
1990年代までに日本を含む世界に店舗展開して急成長してきました。

最近は米国などで販売低迷に苦しんでいる現状があります。

米GAP事業・・・・・・・・・6%減収、既存店売上前年対比は-7%
米バナリパ事業・・・・・・・・9%増収、既存店売上前年対比は±0%
米オールドネイビー事業・・・・±0%、既存店売上前年対比は-8%
海外事業・・・・・・・・・・・±0%、既存店売上前年対比は-8%
(2006年データ)


また2004年にGAP社はドイツから撤退し、
ヨーロッパでの最大の競争相手であるH&M社(スウェーデン)に

店舗売却などをしています。


要するにかつて世界1、2位の規模になった両社ではありますが、
GAP社は既存アパレル業態の建て直しに懸命で、
リミテッドは非アパレルファッションビジネスで成長しているのが現状です。

以上のように、世界のSPA型アパレル会社は世代交代の時期を
向かえていると言えるのではないかと思います。