今、介護保険の制度改正について、議論が進められています。



その中で、ケアマネジャーが支援を行う際の費用(居宅介護支援費)を一部利用者負担にするという議論がなされています。


今現在は、ケアマネジャーがプランを作成したり、連絡調整をしたりする費用については、全額保険料から支払われています。


つまり、利用者さんはケアマネに支払うお金は0円です。


しかし、これを国は1割負担としていこうとしています。




職能団体である日本介護支援専門員協会は、この件については断固反対の意思を示しています。


なぜなら、介護保険の根幹である「中立公平」が守れなくなるからです。


ケアマネジャーは、ご本人様の希望に沿いながらも、状況が悪化しないようにサービス量や種類を調整していきます。


過剰サービスにならないようにしているわけです。


だから時々、利用者さんと意見が対立する場合があります。





ところが、利用者負担でケアプラン料金を支払うようになると、利用者さんと反対の意見を伝える事が出来なくなり、言いなりケアプランあせるになってしまいます。




介護度でいける限度いっぱいまで、どんどんヘルパーさんを入れて。


いつか具合が悪くなった時の為に、頭も足も高さも全て調節出来る重度者用の介護ベッドをとりあえず入れておいて。


言う事聞いてくれんケアマネはいらんわ。交代して。




こういう事になってしまいます。



介護保険って、高齢になっても、自分の住みなれた地域で、なるべくギリギリまで元気で自分のやりたい事が出来るくらい心身の状態を保って、そして自宅で最後を迎える。これを理想としているのです。


それを実現するには、何でも使えるサービスを好きなだけ使っていては、実現出来ません。


信頼関係を築き、利用者さんの現状に沿った計画が立てられているか。


重度化した時には十分に、軽度化してきた時には自立に向けての支援を。


専門性を持って、その調整が出来るから、結果として支出を抑制も出来るんです。


そういう調整を一手に担っているのがケアマネジャーであり、そこに私たちは誇りを持って働いています。


そんな私たちの日々の努力を無にしかねない改正には、大反対です。



介護保険が施行されて10年。


そろそろ「お金が無いから」だけで、もっともらしく理由をつけて改正するのはやめていただきたい。


強く思う、私でした。