5.2 トランプ大統領と彼の仲間は、1月6日の連邦議会での合同会議の前に副大統領に公然・非公然の激しい圧力を行使した

021年1月2日:副大統領は彼の顧問たちと会議を行い、合同会議に関して彼が意図した路線を固めた

2021年1月2日、ペンス副大統領は、合同会議について議論するために彼の弁護士であるグレッグ・ジェーコブと首席補佐官のマーク・ショートそしてマット・モーガンと会った。モーガンは、トランプ選挙対策本部の法律顧問であり、以前にはペンス副大統領の弁護士を務めたことがある。この時点で、副大統領は、選挙人票の集計における副大統領の役割がなんであるかに関して既に明確に理解していた。ペンス副大統領は、多くの人々は選挙人票の認証がどのような仕組みになっているのかを理解していないと懸念した。そこで、ジェーコブは、1月6日に副大統領が行う声明の草案を作成し始めた。その声明は、合同会議に関する「市民教育」を提供することを意図したものであり、「副大統領が持っていると誰かが示唆したような権限を副大統領は持っていない」という理由を含め、ペンス副大統領の行動をアメリカ国民に説明するものであった。

彼らは、イーストマン理論、ゴーマート訴訟、エリスの主張ならびに選挙人集計プロセスの役割を含む副大統領に対して適用されていた圧力に関する各種の論点について議論を行った。彼らはまた、選挙違反と選挙管理の不手際の主張についても議論を行い、提起された主張のいずれもトランプ大統領の敗北を逆転させるには不十分であったと結論付けた。

ペンス副大統領は、選挙人集計法に基づき認証に関して連邦議会が異議を申し立てる権限について認識していたが、彼あるいは彼のスタッフのいずれも、いずかの州における選挙結果に重大な影響を与えることになると思われる不正のいかなる証拠も把握していなかった。トランプ大統領の選挙不正の主張が繰り返されたことから、ジェーコブと副大統領のスタッフは、これらの主張について自分たちで評価を行った。ジェーコブは、モーガンに対して選挙対策本部が有している、「不正選挙、選挙管理の不手際、選挙違反そして選挙システムの乱用」についての最も著しい証拠を送るように要求した。副大統領の法務スタッフたちは、ペンス副大統領に対する覚書の中でこれらの資料に関して彼らが行った審査を記録したが、その結論は、「現行の選挙法に違反した違法な投票を行ったことを意味すると定義される大掛かりな不正投票という主張のほとんどは、不正が相対的に小規模であったか、検証不可能なものであった」という結論であった。

ペンス副大統領はまた、トランプ選挙対策本部の偽選挙人に関して彼の顧問たちと議論した。ジェーコブとモーガンは、選挙人の2重の名簿はなかったことをペンス副大統領に確言した。トランプ選挙対策本部が組織した選挙人たちは、正当な選挙人ではなかった。モーガンは、既にこの話題に関して12月に覚書を書いており、偽の「代替」選挙人は、州が発行する確認証を欠いていたと結論付けていた。そのような確認がない場合、トランプ選挙対策本部の主張する偽選挙人は、両院合同会議中にいかなる当事者適格も有していない。ジェーコブはまた、1月6日の合同会議に関連する法律条項のそれぞれについての概要を記した「フローチャート」の覚書も作成していた。ジェーコブは、ペンス副大統領に対して、「送り込まれた名簿のいずれも選挙人集計法の意味の範囲内での代替選挙人名簿としての適格性を備えていない」と助言した。ペンス副大統領は、偽選挙人問題が依然として混乱の原因となりつつあることを懸念したことから、彼の1月6日の声明が可能な限り透明性を提供するものとなることを望んだ。

その同じ日の1月2日、マーク・ショートは、副大統領の代わり簡潔な声明を公表した。「ペンス副大統領は、先の選挙における不正投票と選挙違反に関する多数のアメリカ国民の懸念を共有しています。副大統領は、1月6日に、下院と上院の議員が法に基づき彼らが所有している異議を申し立て、連邦議会とアメリカ国民の前に証拠を提出する権限を利用する取り組みを歓迎します」と、声明は宣言している。ショートは、その声明が、副大統領は選挙人を拒絶する権限を有してはいないという副大統領の見解と一致していたと証言した。ショートは、「[ペンス副大統領が]どこに立脚すべきか」という問題に関する「混乱」があったことが理由でこの声明を発表したのだった。

スティ―ブ・バノンのポドキャスト「War Room: Pandemic 」がこの混乱の主たる原因の一つであった。

2021年1月2日:イーストマンとバノンがペンス副大統領の「度胸と勇気」を疑問視

スティ―ブ・バノンのポドキャスト「War Room: Pandemic 」が、この混乱の主要な原因の一つであった。イーストマンが、バノンのショーの1月2日のエピソードのゲストであった。彼らの会話の多くはペンス副大統領と彼には選挙を覆す権限があるという信念とに焦点を当てたものであった。

「(我々は)我が国がこれまで経験しなかった最も重要な憲法上の危機に陥りつつある」と、バノンは述べた。バノンは、ペンス副大統領が「唾を吐いた」、すなわちトランプ大統領を権力の座に留めようとする取り組みをあきらめたと、不満を述べた。イーストマンは、選挙が違法に行われたことから、現在、認証された(選挙人の)票は州議会に戻されており、それ以外に票を集計する場は、連邦議会であり、特に票を集計する責任があるのは1月6日に開催される連邦議会の合同会議の議長を務める副大統領であると、主張した。イーストマンは、副大統領(と連邦議会)には、いくつかの州からの認証された選挙人を即座に拒否する権限があると、述べた。「彼らは、7州からの複数の選挙人票のリストがある。したがって、彼らはどちらが集計すべき有効なリストであるかを判定しなければならない。彼ら自身で判定を行う権限があると私は思う」と、イーストマンは述べた。

バノンは、合衆国の副大統領は「定着している固有の制度」であり、「実際的な意思決定者」であると主張し、副大統領の役割は、「儀式的なもの」ではないと、断定した。イーストマンは同意した。「これがまさに選挙人集計法の合憲性という問題に関して今週起ころうとしている闘いのクライマックスとなることを我々は想定すべきなのか」と、バノンは尋ねた。

イーストマンは、「その多くは、関与している人々の度胸と勇気にかかっていると思う」と答えた。バノンは、それはペンス副大統領を意味しているのかと尋ねた。イーストマンは、「そうだ」と答えた。

2021年1月3日:イーストマンは、ペンス副大統領が選挙の結果を変えることができる方法であるもう一つの「1月6日シナリオ」の覚書「戦闘作戦」を起草

その翌日の2021年1月3日、イーストマンは、そのうちの一部だけがトランプ大統領の勝利をもたらす1月6日に関するいくつかのシナリオを想定した6頁の覚書を作成した。「選択肢に関する戦闘作戦(War Gaming the Alternatives)というタイトルの部分において、イーストマンは、トランプ大統領が権力の座に留まることができると彼が考えた方法を明らかにした。重要なことに、ペンス副大統領がイーストマンの違法な助言を受け入れて、どちらの選挙人団が「有効であるか」を決定をするなら、そしてそう決定した場合にのみ、トランプ大統領は、権力の座に留まることができるだろうと、イーストマンは結論付けた。もう一つの別のシナリオにおいては、ペンス副大統領が選挙人票を州に差し戻した場合、州はトランプ大統領の根拠のない不正の主張について調査するために10日を得ることができることから、2021年1月に何とか再選を勝ち取ることができるかもしれないとイーストマンは予想した。その場合においては、州議会が証拠は「選挙結果を変えるには不十分であった」と判断するなら、バイデン前副大統領が依然として勝利する可能性があることを認めた。

イーストマンは、有効な「代替」選挙人名簿はなかったことを知っていたが、それにもかかわらず、彼の副大統領と大統領に対する助言は、それを主張することを前提とした。彼のそれ以前の2頁の覚書と一貫していた 彼の6頁の覚書の中で、イーストマンは、「トランプ選挙人」が集会を行い、選挙人票を提出し、「こうして7州からの選挙人名簿の重複があること」を明らかにすると述べていた。1月6日以降においてさえ、イーストマンは、選挙人名簿の重複があったという彼の主張を確認し、擁護し続け、書いた。「選挙に対する異議申し立てが依然として係争中の7州でトランプ選挙人が連邦議会の指定した日に集会を行い(彼ら独自のものであるものかかわらず)、彼らの投票を行い、これらの票を連邦議会に提出した。」(2021年秋、「クレアモント・レビュー・オブ・ブックス」

イーストマンは、これらの選挙人名簿を選挙結果が争われていたという主張の前提として利用した。しかしながら、イーストマンは、いくつかの機会に(1月6日の前と後の双方において)、これらの「選挙人名簿の重複」には法的な重要性はないことを認めていた。 2020年12月19日に送られたEメールにおいて、イーストマンは、トランプ/ペンス選挙人に関する7つの名簿は「それらが彼らの州議会からの認証を得ていない場合には、連邦議会に届いた瞬間に、無効となるだろう」と書いていた。もちろん、この認証は決して行われてはおらず、「重複名簿」に関するいかなる訴訟もなかった。

それにもかかわらず、2020年12月23日、イーストマンは、トランプ選挙本部弁護士のボリス・エプスタインに宛てたEメールの中で、副大統領が行動するための正当化としてこれらの名簿の存在を利用した。「我々が複数の選挙人名簿を持っているという事実はどちらが正当なものかという不確実性を示している。それで十分であるべきだ。」

1月6日以降も再び、イーストマンは、Eメールの中で偽選挙人の文書は無効であり、意味がなかったことを認めた。「悲しいかな、どちらの州議会も彼らを認証していなかったので、これらの選挙人にはいかなる権限もなかった」と、イーストマンは述べていた。


イーストマンは、彼のプランが「確かに大胆である」ことを主張して彼の覚書の結語を書いた。しかし、彼は、「今回の選挙が党派的優位性を目的とした現行選挙法を制度的に破るという民主党による戦略的計画によって盗まれた。我々はそれゆえ、もはやクインズベリー・ルール(19世紀のイギリスではじめてボクシングの競技にグローブ着用などを義務づけた現在のボクシングの基礎となるルール)を守っていない」と主張して、それを正当化しようとした。

イーストマンは、彼の以前のより短い覚書に書いたことを繰り返し、「合同会議による議決や連邦最高裁判所からの許可なしに」ペンス副大統領が行動すべきであると主張した。イーストマンは、「合衆国憲法はこの権限を最終的な裁定者としての副大統領に付与している」と主張した。イーストマンは、特に誇張した表現で終わった。もし選挙結果が逆転しないのであれば、「その時には、主権者たる国民は彼らの政府の方向性をもはや支配してはおらず、我々は自己統治する国民であることを辞めることにならなければならない。これ以上の重大な事態はあり得ない。」

2021年1月4日:トランプ大統領とイーストマンは、大統領執務室でペンス副大統領と彼のスタッフと会談を持った

イーストマンは、大統領執務室での会合で、副大統領は選挙人票を拒否することができるか、認証を遅らせ、選挙人票を州に送り返すことが可能であると主張した。
2021年1月4日の午後遅く、トランプ大統領は決着をつけるためにペンス副大統領を大統領執務室に呼び出した。トランプ大統領とイーストマンは、ペンス副大統領にはバイデン副大統領が勝利したいくつかの州の認証された選挙人を集計することを拒否する権限があることを納得させようとした。

ショートとジェーコブは、ペンス副大統領と共に出席した。トランプの首席補佐官のマーク・メドウズは短時間だけ同席し、会議が始まるとともに離席した

大統領法律顧問は会議から除外されている

一人の重要な弁護士が会議には不在であったことが際立っていた。大統領法律顧問パット・シポローネである。シポローネと彼の腹心の部下であったパット・フィルビンは、その時点で一連の「醜悪な」提案を論破していた。フィルビンは、概ね11月15日から政権の終わるまでの毎日辞任することを検討していたと特別委員会に証言した。フィルビンは、1月6日の両院合同会議における副大統領の役割についての調査を行っており、ペンス副大統領には選挙結果に影響を与えるいかなる権限もないという結論を出していた。シポローネは、フィルビンに同意し、ショートとジェーコブに、それが大統領法律顧問室の意見であると伝えていた。

マーク・メドウズは、大統領執務室での会議の前にイーストマンと話をするようにシポローネを招待した。シポローネは、イーストマンに対して、彼のスキームは「法律の適切な解釈と合致しているものではなかった」と告げた。メドウズのオフィスでこの評価をイーストマンに直接伝えた後、シポローネは、会議に参加するつもりで大統領執務室に向かった。しかしながら、副大統領と彼のスタッフが到着する前に、シポローネは去った。

シポローネは、彼がトランプ大統領に何を告げたのか、あるいはなぜ彼が大統領執務室での会議に参加しなかったのかについて証言することを拒否したが、大統領執務室に彼が足を踏み入れた後に起こった何かが理由で会議に参加しないままとなったのではないことについて、彼は明快であった。シポローネは、何が起こったのかは大統領特権で保護されていると主張したが、それは大統領が離室するように告げたことを示唆した。しかしながら、明らかなことは、シポローネは既に彼の見解(トランプ大統領とイーストマンが副大統領に主張しようとしていた提案は違法であるということ)をメドウズとイーストマンに伝えていたことである。

大統領執務室での会議中、イーストマンは、二つの路線は同じ法理論に基づいており、彼の計画は選挙人集計法に違反しているということを認めていた。イーストマンは、大統領執務室での会議中、二つの法的に実行可能な選択肢があると主張した。最初に、ペンス副大統領は、いくつかの州から提出される認証された選挙人を無条件で拒絶することができる。そして、次に、ペンス副大統領は合同会議を停止し、「争われている」選挙人票を州に返送することができると主張した。ジェーコブによればイーストマンは、副大統領には彼自身に異議があることを判定する「元来の(raw)」権限があると主張した。しかしながら、会議の終わり頃には、イーストマンは、副大統領が選挙人票を無条件に拒否するという「より攻撃的な」選択肢よりも「政治的により受け入れやすいだろう」とイーストマンが主張する第二の選択肢を強調した。イーストマンは、ペンス副大統領が選挙人票を無条件で拒否することを望まない場合には、副大統領は認証された選挙人票をさらに審議するために州に送り返すことができると主張した。

その後、イーストマンは、両方の行動は副大統領の権限に関する背景にある同じ法理論に基づいていることを認めた。イーストマンはまた、大統領と副大統領との会談中に、彼の提案は選挙人集計法に違反しているということを認めた。さらに、副大統領が一方的に選挙人を拒否するという考え方は前例による根拠を欠いており、連邦最高裁判所がそれを支持することは決してないだろうということを最終的に認めていた。

ジェーコブは、1月4日の会議に関して副大統領に対してその直後に提出した覚書の中で彼の考えを記録した。ジェーコブの覚書は、イーストマンがトランプ大統領の列席の下で彼の提案が法に違反していることを認めていたことを確認した。

最初に、ジェーコブは、イーストマンが彼の提案が「実定法(すなわち1887年選挙人集計法)のいくつかの条項に違反するものであること」を認めたと書いた。ジェーコブの覚書は、選挙人集計法がすべての票の認証が「実行される」ことと州の認証に対するすべての異議申し立てが「最終的に解決されなければならない」ことを義務付けていることを説明している。しかしながら、ジェーコブが書いたように、イーストマンは、そうではなくて、イーストマンが「争われている」と主張した州からの認証書に関して「いかなる措置も講じられないことを提案していた。そして、選挙人集計法によれば、副大統領(上院議長としての)は、「異議の有無を問う」ことになっている。しかしながら、イーストマンは、副大統領がこれらの州に関する「異議の有無を求める」ことを望んでいなかった。ジョーコブが指摘したように、これは、異議を申し立て、討論を行い、異議に対して投票を行うという連邦議会の同法に基づく能力を奪うことになったであろう。

さらに、選挙人集計法は、「いかなる競合する選挙人名簿も討論とその解決を求めて上院と下院に提出されること」を義務付ける条項を盛り込んでいる。ジェーコブが指摘したように、イーストマンは「代替(偽)選挙人の票が適切ではなかったことを認めた。しかし、イーストマンの提案は、これらの州からの本物の選挙人票を集計することを拒否し、その代わりに、本物と嘘の選挙人票を「解決を求めて」州議会に送り返すことになっていた。最後に、イーストマンの提案は、州議会がどちらの名簿が集計されるべきかを決定する措置を講じるために、「合同会議の一時休会を延長することを要求していた。」しかし、これもまた、選挙人集計法違反であり、同法は極めて短期間の遅れだけを規定していた。

イーストマンの計画にはもう一つの基本的な問題があった。いかなる合法的な「競合する」選挙人あるいは「代替」選挙人の名簿も存在しなかったということである。トランプ大統領、イーストマンその他は、1月6日前に偽書類をワシントンに送付した偽選挙人の集会をさせることで、選挙結果には「争いがある」と主張するために必要であった条件を造り出した。そして、トランプ選挙人を認証するように州議会を説得することは既に失敗していた。

ジェーコブは、大統領執務室における会議において、イーストマンが「どこの州議会もいかなる代替選挙人も任命してはおらずまたは代替選挙人名簿も認証してはいないこと、そしていわゆる「代替選挙人」(偽選挙人)がジョーコブの言う州議会による認証の許可がなく違法なものであったことを認めていたと彼の覚書の中で指摘した。さらに、イーストマンは、「何らかの争いのある州における共和党が支配している州議会の多数派のいずれも、代替選挙人を指定する意図を表明してはいなかった。すなわち、イーストマンは、偽の選挙人票は無効であること、いかなる州議会も彼らを認めていなかったこと、そしていかなる州議会も彼らを認証するつもりはないことを認めていたのだった。しかし、トランプ大統領とイーストマンは、なお違法なスキームを副大統領に強要していた。イーストマンは、1月4日の大統領執務室での会議で、ペンス副大統領には一方的に選挙人を拒否する権限を有しているという主張で開始したが、会議の終わりには、「副大統領には競合するどちらの選挙人票を集計するかを一方的に決定する権限があると主張すること」を推奨しないと譲歩した。

ジェーコブは、彼の覚書を極めて批判的なまとめで締めくくった。「副大統領がイーストマン教授の提案を実行したなら、彼は裁判で敗北する可能性が高かっただろう。裁判所が関与することを拒否した場合というベストシナリオにおいては 、副大統領は、いかなる難局打開のための中立的な裁定者もなく、連邦議会の両院ならびにほとんどあるいはすべての該当する州j議会とは孤立した膠着状態となっていることになるであろう」と、ジェーコブは書いた。

大統領執務室での会議後、2021年1月4日の夕刻、ジェーコブは、ジェーコブが副大統領のために検討する目的で、その日の大統領執務室での会議でイーストマンが引用したローレンス・トライブによるローレビューの論稿を始めとした選挙人票集計問題に関する文献を送るよう要請した。ジェーコブは、イーストマンが提出したすべてを検討したが、彼が既に副大統領のために行っていた分析を変えることはなかった。実際にイーストマンから提出された資料の多くは、イーストマン自身の主張を裏付けるものではなかった。

副大統領はイーストマンの理論に納得することなく、合同会議における自らの役割は単に儀式的なものであると確信していた。ペンスは、1月4日、あるいはその後の痛ましい2日間に起こったすべての出来事に関して気分が鎮まることはなかった。ジェーコブは、以下のとおり、証言した。「この話題に関しての私と副大統領との間の会話の最初から、副大統領が即時に持った直観では、建国の父たちがそのような権限を一人の人間に付与したということは決してあり得なかったというものであった。そして、私は、副大統領がその見解を変えたことを決して目撃していない。私が提供した法的助言は単にその見解を強化しただけであった。したがって、副大統領が[1月4日の大統領執務室の中で]述べたことあるいは行ったことはすべて彼の最初の直観と首尾一貫したものであった。」

(以下「2021年1月4日:トランプ大統領はジョージアにおける集会の演説で副大統領に公然と圧力をかける」に続く。)