韓国 梨泰院の転倒事故で150人もの尊い命が失われた。
韓国に留学していた日本人2名も含まれていた。
楽しい一日の終わりになるはずだった、その場所は、悲しい事故の現場となってしまった。
ニュースを聞いて、非常に辛い気持ちになった。
これからを生きていく若者の命が、たくさん失われてしまったのだ。
謹んで哀悼の意を表します。

今回のニュースを聞いて、大学3年生の時、アルバイト先で知り合った、韓国の友達の事を思い出した。
私より一つ年上の女性が2人と一つ年下の女性が1人。
生まれて初めてできた外国人の友達だった。
中でも、一つ年上のKさんとは、かなり親しくなった。
アルバイトに慣れてきたある日
Kさんから、何故日本に留学したのかを説明された。

Kさん
「地下鉄で通学していたある日
その日は、寝坊してしまい、いつもの地下鉄の時間ギリギリにホームに着いてしまった。
私が乗り込もうとすると、地下鉄のドアが閉まり、いつもなら乗せてくれる運転士さんが、何故か私だけを置いて出発してしまった。私は、怒った。遅れて、学校に着いてビックリした。私が乗ろうとした地下鉄で事故が起こり、クラスメイトの半分を失ってしまった。
あの時、目の前で閉まった、地下鉄のドアを一生忘れない。
あの瞬間から、人生、何が起こるか分からない。
後悔をしたくないという気持ちになった。
だから、日本にも行こうと思った」
私は、Kさんの話に言葉を失った。
何と言えば良いのか、頭が真っ白になってしまったのだ。
するとKさんは、笑顔でこう言ったのだった。
「日本に留学して良かった。
あの時、地下鉄に乗らなくて良かった。
私が生きてここにいるのは、あなたに会う為だったのかもしれない。
私達は、出会う運命だった。
私は、運命を信じている。
だから、今、こうして話をしてる」

私は、Kさんの言葉に泣きそうになった。
私も、Kさんには、出会うべくして出会ったのだと信じている。
私達は、出会う運命だったから、お互いに生きて、出会えたのだ。
あの時のKさんの一言一言が、今も私の胸に響き続けている。