更新STOPしててすいません。
こんかいはちょっと短いですが、読んでもらえるとありがたいです。
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その日は閉園になるまで遊びつくし、彼らはもうくたくただった。
ホテルにチェックインし、それぞれシャワーなどを浴び終え寝ようとすると、体は疲れているが
意外とそうでもなく、みなベットに乗ったりしてくだらない話で盛り上がっていた。
もともと1家族の予約分だったので部屋は1つしかとっていなく、ベットは2つ、ギリギリ寝そべることが出来る
ソファーが一つだった。床はフローリングで寝るには冷えすぎていた。
「あー、どうしようか。5人でしょー、誰が床で寝る?」
「え、一人は床で寝ることに決まってるの?俺ムリ!冷えると腹壊すんだよー。」
「あたしもムリ!固い床じゃ体が痛くなっちゃうもん。ね、チナもそうでしょ?なんせお嬢様なんだから、
いつもふかふかのベット!床でなんて寝られないわよね~、フフ!」
「やめてよフミ、お嬢様なんかじゃないってばー。」
みな口々に床で寝るのを拒否していた。それは、女3、男2というかなり微妙な状況だったからだ。
すると、シュイは黙って聞いていたが急に口を開いた。
「俺も床で寝るのはイヤだけど、クルがいいならならおれクルとベットで寝るよ?
チナとフミでもう一つのベット、シルはソファー。」
それを聞いてシュイとクル以外はみなびっくりしたのか、数秒の「間」が空いた。
「クルさん大丈夫?無理しなくていいんだよ、もし嫌だったらあたしとフミとで3人で寝ればいいんだから!」
チナは少し焦ったような顔をしながらクルにそういった。
クルは落ち着いた顔をして、
「大丈夫です。私もシュイが良いのなら、彼と寝ます。」
「まー、2人がいいならいいんじゃない?シルはそれでいいのよね?つまりソファーで。」
「ああ、まあソファーならな。でもなー・・ク~ルちゃん、俺と一緒に寝ようか?」
「嫌だシルってば、下心丸見えよ!サイテー!」
クルは少し焦りながらも笑ってすごしていた。
「気をつけなよクルちゃん、いくらあんな顔したシュイでもな、男は狼になるんだぞ~!」
シルは狼男の真似をしながらクルにジリジリ近づいていった。
「そんなのお前だけだこのエロガッパ!」
チナはそう言いながらシルに突進してタックルを喰らわしていた。
これは珍しいことではなく、2人はいつもそうしてプロレスの技の掛け合いなどをしていた。
まるで子供のライオン同士が激しくじゃれあっているかのように。
その2人をチナは仕方がないなという表情をしながらも、少し戸惑った感じだった。
「明日は朝からまた遊園地行くんでしょ?だったらホラ、早く寝ようよ。」
チナは冷静を装ってフミたちをとめた。
「それもそうだね、もう寝よう。」
5人はそれぞれの寝床に入って電気を消した。
「ウフフ、こーゆうのってなんか懐かしいわね。修学旅行みたい!」
フミは無邪気な子供のように落ち着かなかった。当然、みなもすぐ寝れるはずがなく結局AM3時近くまで
『怖い話大会』が行われていた。
次の日の早朝、チナは誰よりも早く目が覚めた。というよりも、恐らく一睡もしていなかったのだろう。
チナはフミを起こさぬようにそっと上半身を起こし、横のベットを見つめた。
そこにはシュイとクルが眠っていた。互いに逆の方向を向いて寝ていたが、その背中は相手にゆだねるようだった。
時計を見ると6時18分をさしていた。チナはまた眠れないまま時を過ごした。
その日も一日身体がくたびれるほど遊び、同じホテルの同じ部屋にもどってきた。
睡眠不足・遊びすぎがたたったのか、ほとんど全員が疲労困憊という状態だった。
チナとシルはソファーでコクコクと頭を支えきれず、どうやら睡魔が襲っているようだった。
その中でもチナは一人ベットに座り視線を落としていた。決して眠いというわけでなく、何かを考えているようだった。
シュイはホテル内の売店に行って菓子を調達してくるといって部屋を出た。実はシュイは意外と甘党なのだ。
シュイが部屋のドアを閉めると、チナは何かを思い切ったかのように立つと、クルのほうへと向かった。
「あ、あのクルさん・・・ちょっと散歩しない?」
「え・・あ、はい。」
チナはそう言うと、薄い上着を着て部屋をで、オープンテラスの方へ向かった。クルも後についた。
テラスには誰もいなく、ただ月光のみが照明となっていた。夏だというのにすこしひんやりしていた。
チナはテラスの柵にもたれると、遠くまで見える夜景を望んでいた。
クルはどうすればいいのかよく分からず、とりあえずチナの横に着いた。
「ず、ずばり聞いてもいいかなあ・・。」
「はい。」
「クルさんって・・・・シュ、シュイの事・・・・す・・き?」
「・・!?」
「ごめんね急にこんなこと聞いて・・。」
「いえ・・、ちょっとビックリしただけです。えっと、シュイの事・・。」
クルは今一度記憶をさかのぼり、シュイとの関係がどんなものだったかを思い出した。
そして、ひとつの疑問が思い浮かんだ。
「好き」という言葉はもちろん、意味もわかっているつもりである。
しかし、その「好き」が自分とシュイの関係に当てはまるかといわれると、簡単にうなずくことは出来ないのだ。
「本当にごめんなさいこんなこと聞いて、無理に答えなくていいからね。」
「私、シュイの事好きかもしれません。」
それを聞いた瞬間のチナの顔は色々な感情が入り混じり複雑な顔をした。
「そ、そっか。そうだよね、シュイカッコイイもんね、それに優しいしね・・・。」
その言葉はクルというよりもチナ自身に言い聞かせているように聞こえた。
「でも本当に好きかわかりません、自分でもよく・・わからないのです。」
「女の子の気持ちは複雑だもんね。と、とにかく頑張ってね、応援するよ!」
その時クルはもしやと思った。しかしチナに聞くことが出来ず旅行は終わった。