五
今の住まいは東京郊外の一戸建てだ。
専門学校時代、良く行った日本橋・京橋近辺をぶらついたり、足を銀座に向けたりして帰宅するのが丁度良い息抜きだ。
高校時代付き合いの在った者達で「ふる里会」が開かれることになった。
夕方からの会合であったが、参加することにした。
浩一には、「母方の親戚に不幸が起きた」と嘘の話しをして、外出した。
高校時代のボーイフレンドも来ていた。卒業以来だ、懐かしい。
数日後、「会いたい」と連絡が有った。
迷ったが承諾して電話を切った。家庭に不満は無いが違う景色が見たかったのだ。
恋愛感情に火が付いた、いけないと思いながら抑えることは出来なかった、幼少のころ、複数の玩具を同時に欲しがったように。
「夕食は電子レンジで温めて食べて」と言い置いた、ソワソワ浮かれお洒落して出かける。
昼間会うようにした、回数を重ねると近所の目が気になり始めた。
家計、特に「子供達の塾に費用が要りようだから」と浩一に話して、パートに週二・三日就いた。これで、外出の口実が出来る。
