この俺様の放つメギドの火によって、
きさまらをお望みどおりニルヴァーナの灰燼涅槃へと
即身成仏させてやるぜ。
下らぬ仏教なんか信じるおまえらが悪いのだ。

おまえたち虚ろな人間どもを一撃にして吹き飛ばす
爆弾のようなこの俺をおまえたちは誰も防げない。
共産主義が終焉したと思って
ほっと胸をなでおろす愚かしい人間どもよ。
この俺の共産主義よりも遥かに赤い
大いなる軍勢の轟きが聴こえないのか。
それは俺の心臓の鼓動の音だ。

アポカリプスの七つの雷鳴のように轟く血のドラムが、
血を騒がせ、血を掻き回し、全世界を赤く染めるために、
血に酔うサバトとヴードゥー呪術のダンスに酔い痴れている。
ハンマービートで綴られたこの俺の激怒と
歓喜に満ちたブラッドミュージックは、
グレッグという一匹の〈熊〉が
〈ヌーサイト〉の名において預言したものよりも
異妖で荒唐無稽な、しかし遥かに現実的な
この〈俺〉というバイオハザードの到来が
おまえたちに迫っていることを教えている。

おまえたちは既にこの〈俺〉のレッドゾーンの下にいる。
〈俺〉はどんなウィルスやミトコンドリアよりも親しく
おまえたちに寄生(パラサイト)し、
そしておまえたちの隙を衝いてその全身全霊をハックし、
この〈俺〉の下僕として
かぎりもなく下劣なことをさせてやるために
陰謀を巡らしている。

知るがいい。
メギドの火よりも赤く熱いこの俺の赤軍はどこにでもいる。
そしておまえたちをいつも冷酷に
そして残忍に見張っている。
この俺の暴力的で蔑みにみちた視線の気配を
鈍感な者どもは気づかない。

だが俺のコントロールから
誰一人として逃れ出ることはできないのだ。

あのかぎりもなく頭の悪い
ノストラダムスという似非予言者は、
この俺のこれから引き起こそうとしている
大いなる〈人類〉絶滅計画の崇高な意図がみえなかった。
その体も精神もかぎりもなく赤いこの俺を、
奴は軍神マルスに譬えた。
しかし下等な思想に呪縛された反動的な意識には
俺の崇高で遠大な革命思想の片言隻句も了解しえないのだ。
見下げ果てた奴らだ。
おまえら低能な滅亡するべき自称〈人類〉どもは。

自分たちが
万物の霊長たる偉大なアントロポースの名前に
ふさわしいだなどと甘えて思い上がった寝言を
言うのをやめろ。

おまえらはどいつもこいつも〈人間〉になったつもりの
なりそこないの下等な猿であり狒々であるに過ぎない。
大いなる神が万物の支配者として創造した真の人間は
おまえらのように下らない奴らではない。

おまえらはその〈人間〉の鏡に映る朧ろな影を
猿真似するだけで〈人間〉になれたつもりでいる。
その姿は噴飯物だ。
〈猿〉であるならまだしも、
もっと下劣な〈犬〉に成り下がった奴らまでいる。
この〈犬〉どもは
まことに犬らしい犬儒的虚無思想を宣伝して、
〈猿〉どもに俺たちを猿真似せよと
ワンワン吠えてうるさいことだ。

〈猿〉どもは吃驚して振り返る。
するとこの〈犬〉どもが
何と〈神〉に見えてしまうのだから悲しい。
DOGがGODに見えてしまう訳は簡単で、
左右が反対に映る〈鏡〉という嘘の世界を
真実存在する〈現実〉の世界と取り違える習性が
ついてしまっているからだ。

こういう右も左も分からない連中は、
見た目のイメージにいつも誑かされて、
右翼と左翼をいつも取り違えてばかりいる。
だから反動を進歩と思い、
共産主義を資本主義と思い込んで、
いつもその政治的状況判断を
頓馬な方向ばかりにもってゆく。
 
山下に風あるは蠱なり。
つくも髪の稲虫・斎藤別当実盛が
湯島天神と神田明神の間で不吉な蠢きを始めたばかりだ。
白頭山からフォッサマグナを経て
駿河湾に抜ける九頭龍神の龍脈が
大いなるイザナミの女陰である天之岩戸を火照らせ、
アサマの神、第六天魔王でもある〈石神〉のファルスを動かし、
やがてモリヤの聖地、
日本のエルサレムである諏訪の氷を引き裂く。
オミワタリとかいう奴だ。
そのとき、トーラの閃光が上下の宮を結び付け、
洩矢の敵そして実盛の敵であった手塚=金刺氏に
ふかしぎな報復を果たす。
この〈虫〉の遠大な封印を解くために、
俺は手塚治虫に消えてもらわねばならなかったのだ。

その目的は東京の結界に隠された巨大な矢を放ち、
或るものを射貫くためなのだ。
神戸の震災と松本及び東京での二つのSARIN事件は、
SINARつまりバビロン(神の門戸)と
艮の鬼門を魔術的かつ風水的に繋げるために
この俺が画策し遠隔操作したものだと、
ここに犯行声明しておいてやろう。

つくも髪とは白い神。
その数字は言わずと知れた九十九。
既に将門の首はらんらんと赤く目覚めている筈だ。
このことは荒俣宏先生だって気づいていない。
お足の多い銭形平次が今年、神田神社の境内で
干支の象徴ネズミ小僧次郎吉に賽銭を投げるとき、
百鬼夜行が日光を陰らせる。
赤城の山も今宵限りという訳だ。
玄武に乗った毘沙門天が天狗どもに鞍馬山から号令をかける。
戸隠と立山の手力男が岩戸の端に手をかけるとき、
謎の神ツクヨミがスサノオとアマテラスを
恐らく罰するために帰還する。
大いなる百足がタタラ神を動かすとき、
鶴と亀が滑り、後ろの正面に誰がいるかを
おまえたちは知るだろう。
これは厳(イズ)の御霊=艮の金神の大いなる経倫である。

おまえたちはまた、何故、天神社が亀戸にあるのか、
そして何故オウムがそこに支部を構えさせられたのか、
何故その地で大杉栄の血が流されたのか、
そのふしぎな理由を知ることになるかもしれない。

すべては上なる〈9〉の意識に繋がるのだ。
〈9〉はジョン・レノンを殺し、
中野区の砧中学の生徒たちに机を並べさせ、銀河鉄道を呼ぶ。
そしてまた〈9〉は昨年札幌で
奇妙で人騒がせなハイジャック事件をも引き起こした。
セフィラ〈イェソド〉の数である〈9〉のなかで、
〈月〉と〈海王星〉が密談を交わしているのだ。

フングルイ・ムグルウナフ・クトゥルー
ウガフナグル・フタグン! 

大いなる水の深淵が
第11のセフィラ〈グノーシス〉のなかに
ヒラニヤガルバを隠している。
大いなる悪魔コロンゾンが東京タワーを揺さぶる。

333のてっぺんからとびうつれ。
奇蹟はそのとき起こるのだ! 

東風吹かば匂いおこせよ梅の花主なしとて春な忘れそ。

そして約束の時は訪れる。
三千世界に一度開く梅花が、
さらに六出という春雪にその陰気を進めるとき、
陰陽は妖変し、俺の幽遠な梅のはかりごとは成就するのだ。

俺はこのことをおまえたちに教えるために
楳図かずおに『わたしは真悟』を書かせておいた。

知るがいい。
〈真悟〉つまりアートマンとは転輪聖王であり、
真のチャクラはラーフとケートゥを入れて九つなのだ。
これこそがドラゴンヘッドの秘密だ。

黙示録のドラゴンはヤマタノオロチから
アナンタにしてヒュドラである
無限=夢幻の龍王九頭龍=クトゥルーへと
大いなる進化を遂げるのだ。

クトゥルーとは
シュメールの神エアであり眠れる〈海王星〉であり〈王冠〉だ。
しかし〈王冠〉は〈基盤〉である〈深淵〉から
不当に剥奪されたものだった。
これを正すために或る星が来る。
春の女神ペルセポネー、そしてラーの目を、
天の宮殿エシャラをおまえたちは見ることになるだろう。