脳を発達させたければ上手く描かせるな!
「うちの子遅れ気味かしら?」が「うちの子天才!」に変わるアートマインド脳育成阿野絵里子です。(プロフィールはこちら)私は絵画教室をしていますが親や指導者の関わりの中で絵が好きになったり絵に苦手になったり自我が芽生えていくと思います。クラスで誰かの絵を見て◯◯ちゃんは上手だね!と言ったらどうでしょう?何も言われていない子は自分は下手だと感じるもしれません。上手、下手という表現はつい使ってしまいがちですが 気を付けて使いたい言葉だと思っています。アドラー的に言うと競争に勝ったことを褒めるより貢献したことを褒める声がけを意識することこれは世界の平和にもつながる考え方だなと心に留めています。でも、競争させる事でのびる能力がある事も事実です。絵画コンクールなどで入賞するために頑張ったり入賞したことが自信になったり。美大受験では作品力で合格不合格が決まったりすることも実際あるわけです。しかしコンクールであればテーマだったり選考者の好みだったりその時の応募者達の絵の傾向だったり様々な要素で決められます。運によるものもかなり大きいと個人的には思います。美大受験であればデッサン力をつけたり受験に受かるため絵を学びます。でも、美大に行きたい人や絵を仕事にしたいわけではないほとんどの人にとっては上手い絵を描く意味はありません。絵が好きならいいけれど多くの人は、上手く描けないからと描くことをやめていきます。日本人ではなんと絵の苦手意識のある人は七割もいるといいます。いまアートの力が注目されていますね。それは芸術家が創作する時に使う能力がこれからの時代に必要だと考えられるようになったからです。しかし上手く描こうと思っている限りアートマインドは育ちません。そもそも上手い絵とはなんですか?はみ出さないで描くこと本物そっくりに描くことオリジナリティがあること発想力があること・・・上手い絵というのも漠然としていて人それぞれの好みや価値観によるものが大きいですよね。かけっこならばタイムを測れば誰が見ても一番速いと誰かわります。しかし絵はそうはいきません。ピカソは、おかしな絵を描いていますね。自分なりのリアリティを追求してキュビズムと言いう方法を編み出し描きました。カンディンスキーは、何を描いているか分からないから魅力的に見えるという自分なりの思考から音楽が聞こえてきそうな抽象画を描きました。芸術家の作品を見ていると決して上手いとは思えない作品もたくさんありますよね。でも一流の画家が描いた絵は絵をみただけで誰の絵か分かる独自性があります。自分の表現したいものを追求していく中でその人にしか描けない独自の才能が開花されていくのだと思います。ですから上手く描かなくていい!創作活動を通してアートマインドを育てよう!というのが私の提案です。絵は何が正しいなどのルールがないからこそ新しい発想が出来るし今ないものを生み出す力になります。つまり常識にとらわれないアートマインドを育てる事ができます。社会の枠組みに当てはまっていれば安心な気がしますがそこから抜け出して常識を疑う目を持つ事ともいえるでしょう。絵を描く時はまずイメージすることから始まります。自分は何を感じているのか自分は何が得意かどんな構図にするのかどんな素材を組み合わせるかどう表現するか人の作品の素晴らしいと思う事は何か頭の中で様々な思考をしてイメージしたり組み合わせたりして可視化していきます。描いて失敗したりイメージとちがうなど思ったり偶然、そこにあったものが使えそうだとひらめいたり答えのない作業の連続てす。創作活動で育つ様々な力は仕事でも人間関係でも人生でやりたいことを見つける時でも役に立つ力です。アートの才能がないと嘆く必要などありません。正解などもともとないのですから。