この日は生まれて初めての入院。
かなり不安な気持ちでした。
「カテーテルの検査は、足の付け根から管を入れて首の辺りから
直接造影剤を流し、より詳しい血管の検査で・・・」
そんな話を聞いていたので自分の体は一体どうなってしまうのだろうと。
その日は朝8時30分に病院に行きました。
そして一晩お世話になる病室へと案内されました。
私の部屋は4人部屋で、患者さんが一人いました。
そして担当の看護師さんがきて、早速点滴を始めました。
その点滴の針を刺したときの痛いこと!
かなり緊張もしていたせいか、その看護師さんも硬くなった腕のなかの血管めがけて
グリグリと針をいれるのです。
多分看護師さんは普通にしてくれたのでしょうが、私はかなり痛かったのでそう思って
しまったのでしょう。
そして10時00分からとうとう検査(アンギオというそうです)が始まりました。
検査の機械の台に横になり、頭をしっかり固定されました。
この検査は診察をしてもらった院長先生が担当でした。
そして体にシートをかぶせられ、まず右足の付け根に麻酔をしました。(これも痛い!)
その後は少し感覚も鈍ってきて、院長さんが何かを足の付け根にさしているのですが
見えないのでわかりません。
そのうち下腹部に何かが入ってくるのがわかり、かなり痛かったです。
すると院長先生が、「もう痛いところは終わったよー」と言いました。
確かにグリグリとされる痛みは最後でしたが。
そして造影剤が頭の中に流れます。
このとき、ビビビビ・・・と音が鳴りました。
その音がすると造影剤が入ってくるのです。
すると頭の中が熱くなるというか圧迫感というか・・。
頭の中の血管が膨張していくような痛みがあるのです。
その音が鳴るたびに嫌な感じがありました。
10回くらいでしょうか。最後のほうはその痛みに慣れたような気さえしました。
そして検査は終わり、ストレッチャーに乗せられ検査室から出ると
妻が心配した顔で「大丈夫?」と言いました。
後で聞いたのですが、この検査のときに妻は担当してくれた看護師さんに
「心臓のすぐそばの血管を通る検査なので、もし何か手違いがあったときに
すぐ手術してもよいか確認しますので、かならずここで待っていてください。」
と言われていたようです。
そんな検査をしたんだ、と未だに実感がありません。
太い血管に管を通して心臓の近くを通り、首までいれるなんて
そんなこと出来るんだと思っていましたから。
そのあと病室に戻り、足の付け根に重しを乗せました。
検査した足の付け根のその血管はかなり太いらしく、出血したら大変なので
頑丈なテープでがっちり止められました。
その後三時間は絶対安静なのですが、造影剤の検査の後は水を一リットル以上飲まなくては
いけないのです。
それはその造影剤を体から排出させるためなのですが、何しろ絶対安静ですので
トイレに行けないのです・・。
前々からこのことはネットの体験記でわかったいたので、検査前にトイレに言っておいたのですが
行けないと思うと行きたくなるのです。
もしものときは尿瓶で、と言われていたのですがそのときはどうにか我慢できました。
その後はなぜか熱が出てしまい、頭も痛くなってきたので寝てしまいました。
やっぱり極度に緊張していたのでしょう。
その後、夕食となり9時には消灯となるのですが、
頭に病気はあるもののとりあえず自覚症状もないし元気なので
テレビをみたり出歩いたりしていました。
色々と看護師さんにしてもらっているうちに
「俺は健康なんだ。自分の事ぐらい自分で出来る。」という
反発心みたいなものを感じてしまうようになってしまいました。
こんなことを書いたら怒られそうですが、
「入院していたら本当に気がめいって病人のようになってしまう」と
思い、次の日には早くそこから逃げ出したい気持ちで一杯でした。
看護師さんに「終わりましたよ」と言われたとたん、すぐパジャマから
洋服に着替えて病室を出ました。
まだ自分が病気を持っていることを受け入れられないからかもしれません。
病院の受付に行くと、妻と娘が迎えに来てくれました。
やっぱり家族に会えるとホッとしますね。
それから娘の誕生祝いと退院祝いでお寿司を食べに行きました!
やっぱり旨かった!
そして明日の6月14日は院長による診察です。
事前に別の病院で放射線治療を受けることは伝えてあるので
紹介状とその他のデータを受け取りにいきます。
今の病院にはガンマナイフもサイバーナイフもないのです。
あした受け取ったら即横浜の病院へ郵送します。
予定では6月20日くらいから治療に入るかも・・・。
こんな不安な日々はもうたくさんです。
早く終わらせたい。