Comparison of carotid and basilar bifurcation aneurysms versus non-T-angled bifurcations: the geometry is associated with the outcome.

Neurosurg Rev. 2019 Dec; 42:853-858.

doi: 10.1007/s10143-018-01056-2

内頚動脈分岐部の破裂脳動脈瘤は、脳血管攣縮や早期脳損傷を認めることが少なく、アウトカム良好な印象がある。

この研究の目的は、血管の先端部の動脈瘤（内頚動脈および脳底動脈）に関して、それらの臨床経過とアウトカムがその他の動脈瘤と比較して違いがあるのかどうかを調べることである。

1999年から2014年6月までのくも膜下出血症例のデータを後方視的に収集し、471例が対象となった。T-shaped（先端部）動脈瘤は63例、non-T-shaped動脈瘤は408例だった。症例の平均年齢は53.75歳だった。アウトカムは、くも膜下出血発症後6ヶ月のmRSで評価した。

T-shaped動脈瘤は、non-T-shaped動脈瘤と比べてFisher 3と脳血管攣縮の頻度が高かったにも関わらず、有意にアウトカム良好で（p=0.0001）、死亡率も低かった（p=0.02）。

（上記文献より引用）

T-shaped動脈瘤において、有意なアウトカム予測因子は検知されなかった。一方、non-T-shaped動脈瘤は、入院時のグレード（p<0.0001）、早期の水頭症合併（p<0.0001）、シャント依存（p=0.001）、重篤な脳血管攣縮の合併（p=0.01）は有意にアウトカムを規定する因子だった。

多変量解析では、non-T-shaped動脈瘤がアウトカムに有意に関連する予測因子だった。

入院時のグレードや早期の水頭症、シャント依存の比率に違いがないにも関わらず、T-shaped動脈瘤は有意に予後良好である。しかしこの病態生理のメカニズムは不明である。

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動脈の先端部（T字型）にできる動脈瘤の破裂例は予後良好である