Analysis of wide-neck aneurysms in the Barrow Ruptured Aneurysm Trial.

Neurosurgery. 2019 Nov 1;85:622-631.

doi: 10.1093/neuros/nyy439

【背景】

広頚の破裂脳動脈瘤（wide-neck aneurysms; WNAs）の治療は困難で、クリッピングとコイリングを比較した報告はほとんどない。

【目的】

Barrow Ruptured Aneurysm Trial (BRAT)のデータを用いて以下を検討した。

（１）WNAsはどれくらいの頻度なのか？

（２）WNAsは治療に影響するか？

（３）WNAsに対するクリッピングとコイリングの比較

【方法】

BRATにおけるWNAsに関する事後解析を行った。

WNAsの定義は、動脈瘤ネックの最大径≧4mm、または動脈瘤のドーム/ネック比の最大値＜2とした。

（上記文献より引用）

intention-to-treatおよびas-treated解析を行った。

【結果】

327症例のうち、177症例（54.1%）がWNAsを有していた。

WNAsは高齢に多く（p=0.03）、臨床グレードが不良（p=0.02）だった。また、MCA、basilar top、ICA（PcomA以外）のそれぞれの動脈で多く見られた（p=0.001）。さらに、予後不良とも有意に関連した（p<0.01）。

WNAsに対する治療は、クリッピング、コイリング同等に振り分けられた（clip 56.6% vs coil 51.8%; p=0.38）が、実際にはクリッピングで治療された症例が多かった（clip 62.4% vs coil 37.6%; p<0.001）。コイリングからクリッピングへクロスオーバーした症例のほとんど（76.7%）はWNAsを有していた。

（上記文献より引用）

クリッピングとコイリングで臨床アウトカムに有意差は認めなかった（p>0.33）が、コイリング症例は動脈瘤の閉塞率が低く（p<0.001）、再治療率が高かった（p<0.001）。

（上記文献より引用）

【結論】

BRATにおいて、動脈瘤の広頚の存在は、治療戦略に有意に影響を与える。破裂WNAsに対するクリッピングおよびコイリングは、長期のアウトカムは同等だった。

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ワイドネックの動脈瘤に対する治療としてクリッピングとコイリングを比較