Insular cortex infarction in acute middle cerebral artery territory stroke: predictor of stroke severity and vascular lesion.

Fink JN et al.

Arch Neurol. 2005

・島皮質（Insular cortex）の梗塞

島皮質の梗塞は様々な症状を来す。体性感覚障害、味覚障害、精神症状、言語障害、聴覚障害、前庭障害、嚥下障害など。また、心血管の自律神経系の役割を担い、不整脈や突然の心停止に関わる可能性がある。ただし、中大脳動脈（MCA）領域の梗塞なしに島皮質の梗塞を認めることは稀である。

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【目的】

MCA領域の梗塞のうち島皮質を含む症例と、梗塞の程度や臨床的な心血管系の状態との関連性を検討する。

【方法】

ラクナ梗塞を除外したMCA領域の脳梗塞150症例、発症から48時間以内を対象とし、島皮質梗塞とNIHSSスコア、血管閉塞の部位、心血管系イベントとの関連性を検討する。

【結果】

・72症例（48%）に島皮質梗塞を認めた。

・島皮質梗塞は、レンズ核線条体動脈領域およびMCA領域1/3以上の梗塞、高NIHSSスコア、血管近位部の閉塞と有意に関連した。

・島皮質は、拡張期血圧の低下と関連したが、脈拍やQT間隔、心筋梗塞、突然死とは関連しなかった。

（文献より引用）

【結論】

島皮質梗塞は、MCA領域梗塞の約半数に認め、広範なMCA領域梗塞、MCA近位部閉塞、重篤な脳梗塞となりやすい。一方で、臨床的に問題となる急性の心血管系イベントとは関連しない。