爽快な疲れだけど心は思い。


この身体引きずって家帰るよ。
いつだったろうか。

もうそのことさえも考えたくない。

ただ孤立してしまったよね。その中には入り込めない。

親父を認識し始めたときが遅くていつのまにかひとり取り残されてた。

言えばよかった。話せばよかった。家族にはいりたかった。

純粋に家族というものを考えたときに。なぜか選択を間違ってしまったのだろう。

縁の下の力持ち。文字通り縁の下から力の限り支えようと努力した。

そうしたらその縁の下だけでしかいられなくなっていた。

本当はそれに感謝されそうして迎えいれられたかった。

いつの間にか支えている床の上には明るい食卓ができていた。

詳しいことも知らない。
知らされてないということはまだそこにいろということだろう。

死にゆく者を簡単には考えられなかった。やはり自分なりの答えが必要で。

だけど時間の流れは恨ましくも平等でなにかがあったからといってゆっくりになってはくれない。
タイムテーブルのA地点に追い付くには時空間を歪めるほかない。神だ愛だといっても通用しない容赦ない流れだから。

それはそうだ。

オレのことなど待つ必要なく先にいってくれと。それが自然の流れでありタイムテーブル上での事象であるから。

またあの大学時代を始めた時と同じ間違いをしてしまった。

もしこの世の中のものなにかひとつでもタイムテーブルの理論を無視して存在することができるのならやはり家族を思いたい。

満たされているように見えてもなにもない。

ものを食べ寝床もあり不自由なくても空腹で睡眠不足だ。

涙がでた。ほんの少し。
たった粒にもならないほどほんの少し。

それで十分だったみたいだ。

もう願うことも後悔もない。

それがわかった1日が今日という日でそれに納得し理解した1日が今日というだけだ。

たいしたことじゃないだろう。
願うこと実はないけど。

日本人として生まれいちばん幸せなことはそばがあること。


天ぷらそばは立ち食いでは品がない味だけどシンプルなワカメや山菜があう。


カラッと揚がったエビの天ぷらはそば専門店じゃないと無理だから下手な場所では食べない。


いちばん好きなのは鴨南蛮うどん。


そばだと鴨の濃厚な味にはあわない。淡白で鴨肉の存在感を消さないうどんがいい。


なんも考えたくないときはそばを食べる。


そばの風味に鰹だし。


そして蕎麦湯が最高だ。

日本に生まれて本当によかった。