今日から日記をつけよう！割と今さらな気がしないでもないけど。
しかもただの日記じゃ面白くないから、友達紹介日記にしよう！！
そんなこんなで発足しました、その名も無国籍友帳。
どうして無国籍かって言いますと、今私が住んでいるのはイタリアはヴェネツィア。
通っている大学は国際大学で、日本のほか主にアメリカ、イスラエル、ドイツ、スペインからの学生が集まってきている。
もちろんイタリア人もいるけど、実は少数派。その辺の話はまた今度。
ワールドワイドな人間関係が築けますよ～って言うのがこの大学のねらい（らしい）。
だからいろんな友達ができるわけです。
記念すべきトップバッターは、ルームメイトのDaidree。
気さくでおもしろくて、アメリカ人の良い所を集めたらこうなりました！みたいな子。
二人部屋っていうのはなかなか難しくて、ルームメイトが気に入らない、なんて話を結構頻繁に耳にするけど、その点私は彼女と同室で本当に運がよかったと心底思ってる。
さてさて今日は、彼女のパパがはるばるアメリカからやってきました。
見かけもよく似てたけど、このパパさん、性格もそっくりだった。
何というか、ともかく明るい。
しゃべりまくる。
そしてテンションが高い。
いわく、
「君はどこから来てるの？え、日本？どおりでいいパソコン持ってるわけだね。それどこのメーカーの？しかし寮からインターネットに繋げるなんて驚きだね。テレビも見られるし。テレビといえば、私が子供のころはそんなものまだなくてねぇ。君の世代ははそんなの想像もつかないでしょ。戦後だったからねぇ、イタリア語の勉強なんてのもなかなかできなかったなぁ・・・。ところで君は何の勉強をしてるの？え、イタリア史？驚きだね、一体全体どうして日本人の君がイタリア史に興味を持ってるんだね？ああ、文化が好きなんだね。音楽は興味ある？私は昔声楽をやっていたんだけど、今サンクトペテルブルグのボリショイ劇場でピアニストやってる友達と一緒にコンサートしたことがあるんだ。あれは楽しかった・・・君は何か楽器はやるのかな？なに、ファゴットやってたって？私の大好きな楽器じゃないか。パソコンでオーケストラの演奏が聴けるソフトがあるんだけど、知ってる？ちょっとどいてごらん、私が保存してあげよう・・・・・」
怒涛のマシンガントーク。
でも彼はとってもいい人だった。
娘思いで、「私がどれだけDaidreeを愛しているかわかるかい？彼女が気球に乗りたいと言った時、私は高所恐怖症だけど迷わず一緒に乗ったんだよ」
私「・・・・」
でもでも彼はとってもいい人だった。
Daidreeの、「Dadは素敵でしょ？彼は世界で一番すばらしい人だと思うわ」ってセリフに、思わず「うらやましい・・・・・私もあんなパパが欲しかったなぁ」なんて言ってしまった。
日本のお父さんごめんなさい。
そのあとの映画も彼は娘と一緒に観て行った。
この映画、”Ladri di Biciclette”は、典型的イタリア映画。
内容がどうのこうのじゃなくて字幕。
ともかく字幕がつくセリフが少なっ！！！。
時々字幕が出ないことがある、というよりも時々字幕がついてます、の方があってる。
とりあえず、主要キャラクター5人程度のセリフにしか字幕はつけてもらえない。
さらに、その主要キャラクター達でさえ、額のシワが認識できるほどアップになってしゃべらないとセリフに字幕はつかない。
イタリア映画は、イタリア語がわからないとなかなかむずいのかもしれない、です。
でも内容はなかなかよかった。
程よい長さ（90分）で、シロクロだけど退屈しなかった。
Daidreeもパパさんも満足したみたい。
彼は映画のお供に飲んだワインで程よくできあがって島を去っていった。
「フランスのマクドナルドではセットの飲み物にワインを選べるんだよ、あれには驚いたね。ベネツィアにもマクドナルドはあるかい？2軒もあるの。パドヴァにはもっとあるって？明日はパドヴァに行くんだよ。若いころにも一度行ったことがあってね・・・・・」
パパさん、蘊蓄をたくさんありがとう。
・・・・・でもね、ボリショイ劇場があるのはサンクトペテルブルグじゃなくてモスクワだよ、パパさん。