<<第1章 逆差別を当然のように要求する人々>>
筆者が当ニュースサイト「ジ・オンライン・プレス北海道」や、さまざまなメディアを使って情報を発信すると、必ず多くの反響をいただく。その中に、「助けてください」というタイトルのメールがあった。発信元は、関西の在日韓国人からである。内容は、「在日韓国人であるために、人命に関わる差別を受けている」というものだった。
筆者は、関西に行く用事があったので、わずかな時間を利用して、その皆さんとお会いすることにした。
しかし、その面会をきっかけとして筆者が目にすることになったのは、差別ではなく「不当な逆差別要求」であり、その問題処理に私たちの税金が使われている驚がくの実態だった。
ここでは、筆者が目の当たりにした実態をケースごとに挙げ、検証したいと思う。
なお、タイトルでは「在日朝鮮人問題・在日韓国人問題」と書いたが、ここからは便宜的に「在日コリアン問題」と書かせていただく。
また、この記事では「ご近所トラブル」などは除き、行政や法律関係に特化して考えたいと思う。
<<ケース1 コンピュータ・ウイルスがパソコン本体を破壊?>>
筆者がお会いした在日コリアンの方々は、「関東の国立大学からウイルスメールがパソコンに送られてくる。そのために、パソコンの本体が壊れて使い物にならなくなった。警察に訴えたが、しばらく話を聞かれた後、『問題がない』と言われた。これは、在日コリアン差別だ。逮捕して欲しい」と訴えていた。
筆者が、「どのような型番のウイルスですか?」とたずねると、在日コリアンの方々は「自動消滅したので、ウイルスはもうない」と饒舌(じょうぜつ)に答えた。
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\/ これは差別なのか?
筆者は北海道に帰った後、あるIT関係の専門学校を訪ねた。その専門学校の教員たちは元システム・エンジニアで、北海道のIT企業に対して会社研修も行うプロ集団だ。
その教員たちに、「コンピュータ・ウイルスでパソコン本体やハードディスクが壊滅的被害を受けることはありますか?」と聞いてみた。
すると、答えは次のようなものだった。
「そのようなことは、絶対にありません。コンピュータ・ウイルスは、OSの再インストールで解決できます。もし、パソコン本体やハードディスクが壊滅的なダメージを負ったのなら、それは単なる経年劣化です。テレビや冷蔵庫が古くなったら使えなくなるのと同じです」
それなら、メールで送られたコンピュータ・ウイルスが自動消滅するのだろうか?
「それも、ありません。(インフルエンザのウイルスのように)自然には、なくなりません。本当に感染したのなら、それは(インフルエンザと違って)データなので、パソコン内のどこかにあるはずです」
なお、筆者も調べてみたのだが、コンピュータ・ウイルスがパソコン本体やハードディスクに影響を与えないということは、IT関係の国家試験における出題範囲にもなっており、近年の出題傾向になっている。
つまり、在日コリアンの方々が訴えていた「差別」などは、どこにもなかったのだ。
しかも、関西の警察署で在日コリアンの方々が数日間に渡り「差別だ」と騒いでいたときの処理費用、時間的コストは、私たちの税金から捻出(ねんしゅつ)されているのだ。
<<ケース2 「病気の悪化」と言われても…。>>
その在日コリアンの方々には、精神的な病気を抱えた息子がいる。息子は関東の国立大学に通うため、一人暮らしをしていた。
しかしある日、その息子は突然自殺を図ったのだという。幸いにも一命を取り留め、現在は自殺を図ったことによる後遺症もないそうだ。
親である在日コリアンの方々は、「大学が悪いから息子は自殺行為にいたった。これは、在日コリアン差別だ」と強く訴えた。
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\/ これは差別なのか?
筆者は、この件に関しても、北海道に帰ってからさまざまな確認を取った。そうすると、主治医は「学校と自殺行為に、因果関係がない」という診断をしていたのだ。
「因果関係がない」という診断は、分かりやすく言えば「学校は、悪くない。差別でもなんでもない」と、医学的に証明されたことだ。
その点を踏まえ、筆者は「息子さんの病状悪化に気がついてあげられなかったご両親に問題があったのでは?」と在日コリアンたちに尋ねてみた。
そうすると、「記者さんは在日韓国人差別をまったく理解していない」という返答が来たのだった。
「“助けてください”と言われても、“救いようがない”」と感じるのは、筆者だけだろうか?
<<ケース3 大学の対応は…。>>
ケース2で紹介した在日コリアンの息子は、自殺行為以前にも、在籍する国立大学にて他の生徒をハンマーで殴打して逮捕されるといった問題行為があった。そのため、大学は授業料を支払っていた両親の了解を得ずに「カウンセリング」と称して隔離したのだという。
その件で、在日コリアンの方々は、「隔離した大学関係者が逮捕されないのは差別だ」と訴えていた。
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\/ これは差別なのか?
授業料を支払ったのに、説明もなく授業に参加させてもらえなかったのであれば、「契約行為が不履行になった」として、民事で争う余地があるだろう。
しかし、契約行為のような民事事件に警察が関わってはいけないのが日本の法律だ。これを「民事不介入」という。
筆者が民事不介入であることを説明して、「日本は法治国家ですよ。警察に訴えても意味がありません」と話すと、この件でも在日コリアンの方々は「記者さんは、在日韓国人差別の実態を理解していない」と、再びまくし立てていた。
警察の民事不介入は、相手が日本人であっても在日外国人であっても同じである。「この人たちは、何をしたいのか?」と感じてしまった。
<<第2章 さらに驚くべき事実>>
さらに驚くことに、国立大学側は在日コリアンの方々とADR(裁判外紛争解決手続)を長期間に渡って行っていたことである。国立大学側は、当然のことながら弁護士などを必要とするため、費用を要する。
国立大学は、いくら独立採算制になったとはいえ、運営費用の多くを国からの補助金でまかなっている。その補助金の出所は、私たちの税金だ。
筆者も、この件に関わるADRの資料を実際に見たが、どこにも在日コリアン差別にあたる案件は見つからなかった。「逆差別要求に対して、ここまで税金の無駄遣いをしなければならないのか」と感じるのは、筆者だけだろうか?
そして、その上を行くほど驚いたことは、在日コリアン側の日本人弁護士が無報酬でこの案件の弁護を引き受けていたことである。依頼者が日本人であれば、弁護報酬を弁護士に支払わなくて良いケースなど、本当にまれであろう。
<<第3章 在日コリアン差別って?>>
差別も良くないが、「在日コリアン差別だ!」と大声を出されると身構えてしまう逆差別社会も絶対に良くないだろう。
もし日本人が、おかしなことを要求した場合は、どうなるだろうか? 「モンスター・クレーマーだ」と言われて、適切な処理がなされるだけであろう。
それが、「在日コリアン差別だ」との声が上がっただけで、税金を使ったADRが行われたり、日本人弁護士が無報酬で付いたり、警察が問題処理に時間的コストをかけたりする社会は、「正常な社会」とは言えないだろう。
今月から、菅直人内閣が発足した。菅直人首相と法律を司るべき千葉景子法務大臣は過去に、原敕晃(はら・ただあき)さん北朝鮮拉致事件の実行犯で在日朝鮮人のシン・ガンス容疑者の釈放嘆願書を拘束していた韓国政府に提出。その要望が通り、現在シン・ガンス容疑者は北朝鮮に帰国。「北朝鮮の英雄」と褒め称えられ、記念切手にもなっている。
本来、さまざまな人物の生命や立場が平等に扱われてこそ、「差別も逆差別もない、平等な社会」である。
それが、在日コリアンの立場が日本人よりも重く扱われたり、在日コリアンの生命のみを重視する社会になってしまっては、「差別も逆差別もない、平等な社会」など、手の届かない所へ行ってしまう。
そのような逆差別が、日本人とのあつれきを生み、色々な誤解に結びついていると、さまざまな立場にあるすべての人物が肝に銘じるべきではないだろうか?
<<第4章 北海道から強く社会に願うこと>>
北海道のスーパースターは、北海道日本ハムファイターズの森本稀哲(もりもと・ひちょり)選手だ。ユニフォームに「희철(ヒチョル)」と書いてあるのを見ても分かるとおり、在日韓国人だ。北海道で、だれからも愛され、尊敬される人物である。
森本選手は、日常生活の不満やプレーの不満を他人にぶつけることはない。ましてや、それを「在日コリアン差別だ」とまくし立てることもない。本当に、北海道の地域に根ざし、北海道を愛している選手だ。
また、北海道に限らず、さまざまな分野で活躍する在日コリアンが増えている。筆者も取材を通して在日コリアンの皆さんとお会いするが、それらの人々は在日コリアンであることを隠さずに堂々と活動し、地域に密着した活動を行い、地域の人々から愛されている。
理解とは本来、そうやって得ていくものではないだろうか? それらの積み重ねが社会や行政を動かしていくのではないのだろうか?
筆者が関西でお会いした在日コリアンの方々は、ケース1から3以外にも、さまざまな逆差別要求を行っている人々だった。筆者は、ひとつひとつ丹念に検証を行ったが、すべてが根拠のない訴えだった。逆差別を訴える在日コリアンが、まっとうに生きる在日コリアンの首を絞めているのは、残念に感じた。
そして、もうひと言を付け足せば、前述した菅直人首相と千葉景子法務大臣のように「究極の逆差別」を行い、国益を損ね、日本人の人命軽視をする政治家に、私たち国民は厳しい態度を持って望むべきだ。
それらの声は、在日コリアン側からも遠慮せずに強い声が上がっても良いはずだ。「逆差別は、在日コリアンの立場を危うくするだけだ」と。