二人の従妹が何やら楽しそうに笑っている。
ーーーああ、勘弁してくれ。
さっき君たちを送り出したばかりだろう。
玄関から出ていったのを見送ったはずの彼女たちが、すぐ隣にいる。
さも当然のように話し掛けてくる。
勘弁してくれ。
君たちは、
お前らは、幻、だろう。
偽物だ。
本物のように見えるだけで、
自分の頭がおかしいだけで、
ここにいる彼女たちは、存在しないのだ。
そうだろう?
そう言ってやっても、彼女たちは可笑しそうに笑っているだけだ。
相手をするのも気が滅入って、少しボケてしまったらしい親の所へ行った。
こちらも何やら一人で勝手に楽しそうにしているので、宥めて、一階へ行くように促した。自分はベランダへ出て、洗濯物を干そうとしたら、
またそこに親がいた。
幻、だ。
当たり前だ。今、本物の親は下へ行ったのだから。
偽物だと判りきっているのに、そいつは親と全く同じ姿をしていて、
さも当然のように話し掛けてくるから、気味が悪い。
自分の頭がおかしいだけだ。
どういうわけだか、自分が幻覚を見ているだけだ。
幻なら触れてみれば判る、と手を伸ばして親の体に触れたら、
「触れた」。
ギクリとした。
しかも、だ。温かい。
人肌だ。
ズドン、と思考が混乱の渦に落とされる。
気味の悪さを手先に残したまま、思わず手を離した。
なんだこれは。
なんだこいつは。
「ねえ」
振り返ると、またそこには従妹がいる。
ここにはいないハズの。
別の方へ首を向ければ、そこにはまた親がいる。
自分がおかしいだけだ。
幻を見ているだけだ。それは間違いないし、それだけのことだ。
けれども、今、自分には、幻と現実の区別がついていない。
どれが幻で、
どれが本物なのか。
知らなかったのだ。
それが判らないことが、
これ程までに恐ろしいことだとは。
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まーたレアな夢見たから積極的にメモしちゃう
これ結構怖かったのよ。。
普通に会話終了して、そんじゃね〜って感じで別の方向向くと今喋ってた人がそこに立ってんだもん
それがエンドレスに続くとあこれ狂気だわって感じてくるのよ