何となく一日二回更新。

 

や、何となく。何となくね。

あー、人間酔いしとったなあと、気が付いたので。

久し振りに、一人の時間をゆっくりと味わえる時間ができたので、

その贅沢な時間を享受しているところ。

 

誰かの肌、誰かの声、誰かの影を恋しいと、そう思ったことがあまりない。

ホームシックになったことが無いのも多分それが理由だろうし、

誰かといると無意識下で気を張る人間としては、

その時間から解放された時の喜びが何にも勝るので、

やはり、人間としては欠陥品なのだと、常々思っている。

 

何となくずっと頭に流れていた歌を聴きながら、

目を閉じて、暗闇の中で現れては消える映像を追いかける。

この時間が、何よりも好きなので。

 

ビビッドカラーの光の柱が、一斉に天へと昇る。

それと同時に舞い上がる長い髪を揺らした少女が、虹色の光の柱色に染まる瞳を輝かせて、その光の行く先を見上げている。

暗闇の中で、誰かの手が誰かの手をそっと取って。

上から伸ばされたその手を握って、溶けて、沈んでゆく。

大丈夫、と沈むその人が笑う。

君がいる、と。

ああそう、ともう一人がつられて笑う。

黒の中に溶け込んでいく二人は、とても幸せそうに笑うのだ。

モノクロに褪せる世界を、無数の鮮やかな色彩の欠片が取り巻いて。

 

いつもそう、

目の裏に映る彼らは泣いていて、叫んでいて、そして幸せそうに笑うのだ。

哀しみも、喜びも。怒りも楽しさも。苦しみも安らぎも、憎しみも慈しみも、

何もかもが怒涛の如く、激流の如く流れて過ぎ去ってゆくその風景の中に、

確かにそこにあるどうしようもない愛おしさがいつも、

このがらんどうの胸をさらっていくのだ。

 

それが自分を満たしているから、

それが自分を満たしている間は、自分は人でいられる気がする。

自分がそれで満たされなくなる瞬間が、まだ今は想像できないけれど、

その時、果たして自分が人でいられるのかどうか、

人として生きたいと思えるのだろうかと、

それは至極些細な不安ではあるけども、

些細な、ほんの些細な種であると、そう思っている。