あーあ。

何にも知らない、困ってばかりの、子犬ちゃん。

情けないったらありゃしない。

弄ばれて、揶揄われて、嘲笑われるのがお似合いよ。

 

...そんなあんたを、見たくなかった。

 

(そのハズだったんだけどなぁ...)

 

自分勝手な男だと、心底そう思う。

それでも、気が付けばこうして、隣にいるのが日常になっている。

自分でも不思議だし、周りも不思議がっていた。

確実に、以前のあいつとは違うというのに。

 

顔が良いとか、そんな所ではなく。

気遣いができるとか、そんな所は期待したこともなく。

強いて挙げるなら、彼の隣は、単純に過ごしやすかったのだ。

夏の強烈な陽射しを凌ぐための、小さな木陰のような。

冬の凍てつく風を宥めてくれる、風除け付きの停止場のような。

そんな場所だった。

 

中身が変わればそれも変わってしまうだろうと思っていたのに、

知れば知るほど、こちらが虚しくなるだけだと思っていたのに。

存外、あいつは変わらなかった。

いや、確かに変わった。

けれども、あいつの隣の居心地は、そう大きく変わらなかったのだから、驚きだ。

 

ーー実は、以前よりも、なんて。

そんなことは、決して言ってやらないけども。

 

前のあいつにとって、私は守るべき存在だったのだろう。

本当は私が守るハズなのに、あいつはそれを必要としないくらいに、強かった。

でも、今のあいつは弱い。

弱いくせに強がって、負けず嫌いで、自分を曲げられない頑固者。

 

だから、私が守ってあげるの。それは、少しばかり気分がいい。

きっと、居心地が良いと感じるのはそのせいだ。

仕方ないから、守ってあげる。同情してあげる。

何もできない、困ってばかりの子犬ちゃん。

 

だからね、約束してよ。

 

"あなたがそれを選ぶ時は、わたしを隣にいさせてね"

 

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2019年のプレイリストまだ終わってねーじゃねーか!!!!!!!!

と半ギレで書いたもの。

20くらいならあっちゅー間に終わるとかほざいてた自分を殴りたいね。

 

7:守ってあげたい(松任谷由実)