違和感を覚えた瞬間、ざっと頭から熱が引いた。

例えるなら、そう。自分としては割と慣れている、貧血で倒れる寸前のような。

熱が頭からすっと消えて、急に冷たくなる。

そんな感じだ。

 

自分は、一体何をやった?

 

誰の子供だか知らない幼子が、さっきから手に持っているそれ。

それは、なんだ。

それを、どうして持っているんだ。

自分は、一体何をした?否、何をしていないんだ?

 

何故それをしなかった??

 

もしかしたら、したんじゃないか?

そんな馬鹿な、そんな馬鹿なことがあるはずがない。

まさか、そんなことをしないはずがない。

けれど、それをやった記憶が無い。

無意識にやったんじゃないか、なんて、それこそ馬鹿な考えじゃないか。

やっていない。お前は確かに、やっていない。

お前はやらなかったんだ、それを。

何よりも大事で、何よりも最優先すべきことで、

誰もが当たり前だと思っている、基本の基の字、誰もが最初に教わること。

 

それを、やらなかっただって?

 

冷たい頭がやたらと重く感じた。心臓がぎゅうと締め上げられる。

こんな、こんな失敗をするなんて、

有り得ない、とか、恥ずかしい、とか、情けない、とか、

そんな感情がぐるぐると身体中を回り、頭の中を真っ白に塗り潰していく。

 

働かない頭で、恩師にどうにか状況を伝えれば、

怒りを通り越して呆れた、という表情付きの返答。

師匠にははっきりと叱責された。

これは絶対にやってはならないことで、

絶対に毎回怒らないといけないことだから、と。

 

滅多に怒らない師匠に怒られたのはそれだけで堪えるし、

誰だって誰かを叱るのは嫌な役目であって、多分、師匠は特にそれが嫌いで、

その師匠にそんなことをさせてしまったという申し訳なさがまた辛くて、

本当に申し訳ありません、その通りです、

としか言えなくて。

情けなくて、

本当に情けなくて、茫然と立ち尽くすしかなかった。

 

なんて、なんて自分は馬鹿な奴なんだろう。

なんでこんな、馬鹿みたいな失敗をやらかしたんだ?

なんで、こんな、、

 

 

で、

スマホのアラームで起きた、っていうね。(夢オチ

 

イヤ、あのね?

ちょ、勘弁して...って夢を見ることは、ままある。ままあるんだ。

そういえば、結構前にもそういった夢を見て、

ああ、これはしんどいな、って思ったんだけど。

こっちに書くの忘れてたから、それはまあ後で書くとして。

 

これまで割と悪夢は見てるけど、

この夢は、歴代稀に見るレベルのしんどさだったと思いますわ。

アレね、確か前の職場に移った後に見た師匠と前ボスに叱られる夢もかなりリアルでしんどかった気がするけど、、

今回のもそーーーーとーーーーにリアルな夢だったかんね。

 

アラーム止めて、「(夢で)よかった......」と枕に突っ伏しながら、

心の底から安堵の息を吐いてしまった。

あとちょっと泣いた。マジで。

 

イヤもう本当に、

夢の中の自分も、自分が相当に馬鹿な失敗をやらかしたってのを理解してて、

これは馬鹿とか間抜けとかアホというレベルとは次元が違う、

もう死んだらいいんじゃないかな?っていうレベルの失敗であって、

あ何をやらかしたかっていうとですね、頂いた菌株ストックするの忘れたんですわぁ死ねばいいんじゃないかな?っていうミスですね本当に、、

もう何も申し開きができない、これはどんな罵詈雑言も甘んじて受ける他ない、

新人でも教わればできることなのに、自分がやらないのはもう呆れるしかない、

そこへ恩師と師匠という人生において最も尊敬する方々からの叱責という、

これぞ人生オワタ的クリティカルヒットな精神ダメージを与えてくる辺り、

 

(自分の頭だけど)ほんと勘弁して......ってなるんですわ。

そんな、土曜の朝の悪夢。