「なあ、お前、冷たいぞ」

 

そうでもないよ、と小さく返す。

ほんの少し口を開いただけなのに、白い吐息が一瞬視界を煙らせた。

辺りは一面の銀世界だ。降り始めたのは朝方なのに、数時間でこんなに積もったのか。

未だ腕の中でじたじた、もぞもぞと動く彼に、きゅっと腕の力を籠めればやがて諦めたのか、大人しくなった。

それに満足して、枕代わりに彼の肩に頭を乗せる。少し疲れた。

 

…ああ、静かだ。

しんしんと、雪が降り積もってゆく。

静かな世界に、きみと二人きり。

これもいいかもしれない、なんて。

なんて、悪い大人だろう。

 

「お前といると、あったかい」

「うん」

「なあ、俺は、お前のこと好きなのかな」

「……」

「これが『好き』って感情なのか?」

「……君が、寒がりなだけだよ」

 

肯定するでも否定するでもなく、ただ、それだけを呟いた。

ああ、このひとときが、永遠だったら良かったのに。

誰の目を気にすることもなく、腕の中の幼い心を独り占めできる、

彼とのこの時間が――何よりも愛おしい。

 

"だから、どうか今日だけは、雪よ止まないで。

君にこうして触れていても、冬の所為にできるんだ"

 

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ダラダラ時間を食うのも嫌なので制限時間は30分!と決めて書くことにする。

そーすると、完全にイメージが固定されてるとこだけ書くことになっちゃうんだけど。。

これは完全に曲のお陰でイメージ固まった二人ではある。

 

2:雪の音(GReeeeN)