静かな世界だ。


家の前にある椅子に腰掛けていた気がする。
そこから、目の前の世界を眺めていた。

とても平らな世界だったと記憶している。
遥か遠くの地平線まで見渡せた。
地面と所々に緑の草原が広がる以外は、何も見えなかった。
あとは、ぽつりぽつりと白い雲が浮かぶ、青い空だけ。


眠っていたのだろうか。
家の中に入っていたのだろうか。


気が付くと雨が降っていた。

同じように、目の前の世界を眺めている。
大きな水溜りがちらほらと出来ていた。
距離感がうまく掴めないので、実際にどれくらいの大きさかよく判らない。

雨は降り続いている。

正面より少し左寄りの地平線へと、太陽が沈んでいく。


雨は静かに降っている。

静かな世界だった。


夜になった。

また、世界を眺めている。

家の灯りが届く範囲の他は、何も見えない真っ暗な世界だった。
雨は降り続いていた。
見ると、家のすぐそばまで水に浸かっている状態だった。

慣れてきた目を凝らすと、
明るい内に見えた地平線までが水に覆われている。

太陽が沈んだ辺りよりも更に左の方で、一筋の雷が光った。
雷光は一瞬地平線を明るく照らし、すぐに闇に覆われた。
よほど遠いのか、雷鳴は響いてこない。

静かだ。

静かな世界を、一人眺めている。


どうやら雨は止みそうにない。


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こういう静かな世界観の夢は好き。