このシーズンになると、後輩達がこぞって卒業式を迎えていて、あちこちで晴れ姿を見せてくれたり、とても楽しそうにしている。
良いことですね。本当に良いことだ。
そんな幸せな姿を見ていると、こちらも嬉しくなる反面、心の奥がちり、ちり、と 焼ける気がする。

羨ましいな、と思わずにはいられない。
昨年は院の卒業だったから、大して感慨もなく学会に行けたんだ。
ただ、学部の卒業式は出たかった。
学部で卒業してしまう友人も沢山いたし、大学で出会った仲間達と、卒業の喜びを分かち合いたかった。

あの機会は、もう二度と来ないのに。
たまに恨めしくなる。
あの震災が無かったら。
この季節が来る度に、後輩達の笑顔を見る度に。

自分達だって。
自分達だって、

そんな風に、笑いたかった。

その機会は永遠に失われた。
誰が悪い訳でもなく、誰のせいでもない。
ちょっと待ったこのスマホ「所為」って漢字が変換されないんですけど(いきなり脱線

この憤りも、悲しみも、寂しさも悔しさも何もかも全てが、無意味でしかない。
諦めたのにな。
仕方がないことなんだと、運が悪かったんだと、ずっと諦めてきたのにな。
いざ周囲がそうなると、喜びと同時に、堪えきれない悲しさが溢れ出してくる。

いいな。
いいな。
君達は、いいな…。

被災した人達からしたら、なんて傲慢で我儘な願いだと思うだろう。
自分でも最低だと思う。
でも、あの特別な日はもう二度と来ないんだ。
それを悲しむくらい、許されたっていいんじゃないだろうか。

早く四月にならないかな…。