ちょっと前の夢オチメモが携帯にあったのでサルベージ。
うーん、夢を見まくる人間だという自覚はあるけど、会いたい人と夢で会えるスキルってのは良いのか悪いのか。
結局は夢に終わってしまう。
すげぇ自己満足だなオイ。

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最近、なぜか昔のとある友人を思い出すことが多かった。
なぜなのか自分でも不思議なんだが、とりあえず彼のことをよく考えた。
彼は今どうしてるだろうか、と。

きっと、昔の癖でお節介を焼いてるんだろうな、と思う。
彼は少しばかり精神遅滞(言い方がまずいかもしれないが)のケがあって、言動や外見から周囲に引かれ気味だった。
女子の中にはあからさまに嫌っている人も居たし、男子からもおふざけ程度の悪戯を受けていた。
それ以上を受けていたかも知れない。そこまで自分は知らない。
昔の自分は母親譲りの正義感と世話焼き気質が酷くて、そんな彼をいつも庇っていた。

周囲が彼を避ける理由は理解できる。
明らかに他の人達とは違う。
ただ、周囲が彼を避ける理由は、自分が彼を避ける理由にはならなかった。
外見なんてどうでもいいし。
鼻水が垂れてるんなら、「鼻水垂れてんぞ」ってティッシュを渡してやればいいだけの話だし。
涎が垂れてた所で以下同文。

だから彼の味方で居た。
ガキんちょによくありがちな権力的なものは持ってたから(まあ何というか、当時は本当に世間知らずで好き勝手やってた)、それで彼を守ってやれればいいと思ってた。
彼にとってはお節介でしかなかったと思う。
彼は、不要な厚意ははっきりと拒絶したから。
弱いわけじゃない、守って欲しいわけじゃない。
そういう彼の主張は逆に好ましかった。

彼はどうしているだろう。
勉強は出来る子だったから、何とはなしに進路が気になった。

そうしてる内に、夢の中で彼と会った。

灰色の風景の中で、自分は歩道橋の上にいた。
すると、反対側から彼が小走りでこちらに向かってくる。
懐かしさから、右手を振って、昔のように下の名前を呼び捨てで呼んだ。
そう言えば、彼のことをこう呼ぶのは自分だけだった。

「  !」

彼も自分を覚えていたらしい。
すぐ近くまで来た所で足を止めて、久し振り、と彼独特の間延びした調子で返してきた。
元気だったかとか、変わってないなとか、
今は何やってるんだ、とか———

色々訊きたかったけれど、彼は急いでいる様子でそわそわしていた。
それを察して、自分は引き留めて悪かった、会えて嬉しかった、また今度な、と手を軽く振る。
彼もまたね、と手を振って、小走りに駆けていく。

その後ろ姿をしばらく見送っていた。

勝手に世話を焼いてた身からすると少し寂しかったけど、安心したのもある。
彼は急いでいるようだった。
きっと、彼が走っていった先に、彼のことを待ってくれている人が居るんだろう。

よかった、と胸の内で呟く。
よかったなあ、お前。本当によかった。
よかったなあ…

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うん、どう見ても自己満足でしかないだろう!!!!(そしてセルフツッコミ
もう彼のことは心配しなくて良いんだぞ、って勝手な妄想を作って自分を納得させてるだけじゃないですか。その心配も勝手なものでしかない!!
何ていう解りやすさだよ自分。はあ……ドン引くわ。