少し眩しいと感じるくらいに白い空間だった。
天井も壁も床も、人工的な白い光に覆われていた。
その中に立っていた。
真っ白な廊下に立っていた。

見渡せる限り傷一つ見当たらない綺麗な壁が続いているのに、
目の前にはその綺麗な空間に相応しくないものが転がっていた。
ヒトの身体の一部だ。
でも、その皮膚は床と同化して見えるくらいに白くて冷たかった。
綺麗な死体だと思った。
首が無かった。

暫くそのまま突っ立っていた。

ここはどこだろう?

これは誰だろう?

少し廊下を進むと、真っ白な部屋が見えた。
部屋の中に、生きているヒトがいた。
そのヒトの腕の中に、死んでいるヒトがいた。
やっぱり首が無かった。
主義なんだろうか。

生きているヒトの口元がはしたなく赤い血で汚れていたから、
ああそういうことかと理解した。
相変わらず、腕に抱いてる死体は驚くほどに白くて綺麗だった。
首から引きずり出された神経がやけにグロテスクに見えた。

何を感じたか。

恐怖?

理解?

戸惑い?

軽蔑?

受容なのか拒絶なのか。
なぜ受容できると考えられたのか。
その思考を振り払うように拒絶を意識したのはなぜか。

あまりに綺麗な死体だった。
首から上が無いから、その点を意識する必要もない。
切断された部分から覗く僅かな赤色が華を添えるようで、
酷く芸術的だと思った。

しかし最終的には拒絶した。

白い床のあちこちに散らばる首のない美しい死体と、

それらを愛でるヒト達を載せて、

船は離れていく。

その船を降りた。


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アアアァーーーーーーーーニキが短いからって理由だけでバイハ5とか借りてくっからこんな夢を見るんだよ!!!!しかも!!それ観てたの正月!!!なんで今更!?
あ、あと廊下に突っ立ってたのは例のミイラ医者でした。ブフォ、すげぇ美味しいなオイ!!!(衝撃の発言