なんて都合のいい夢。

夢なんだ。
夢、だったんだ。

「もうすぐ誕生日だね」
「プレゼントは用意してあるんだけど」
「去年渡せなかったから、今年の分も一緒に」
「その日は厳しいなぁ」
「多分、29日なら空けられると思うんだ」

きっと、君は不満だろう。
その通り、夢の中の君は小言を言った。
自分はそれに、ごめんよ、と苦笑しながら返す。
それでも、約束を果たせたことに安堵する。


消えかけた夢。
朝の電車の中で思い出した。
思い出してよかった。
それらは全て、叶いそうにないけれど。