腕を、伸ばした筈だった

それなのに

腕が動かない
おかしい
届かない

今なら間に合うのに
今、掴んでしまわないと
離れていってしまう

それなのに
腕が動かない
どんなに動かそうとしても固まったまま
両腕は体の脇に垂れたまま
動かない

もどかしい
早く、

そう思って、脚を動かそうとした
しかし動かない
一歩も踏み出すことができない
どうしたことか

焦燥がじわりと這い上がり、ちりちりと胸を焼く
どうして?
声も出ない
ただ 離れていくのを見ているだけ

ああ いつもこうだ
自分は引き留めることができない

それはいつも自分が望んでいることで
でも心では願っていない
だから
嘘つきな自分を
自分が嘲笑っている
それだから

こんな夢を見させるのか、と自嘲した。


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最近よく見るパターンの夢オチ。
動けないことが多い。