「だって、そこ暗いじゃないですか」
「え、どこが?」
「え?」
会話が食い違った。それで瞬間的に理解した。
直感と言ってもいいかも知れない。自分でもどうして判ったのか分からない。
「あ、どうしましょう。コレ、違うんです」
「は?どしたの」
「違う。コレ、夢です。多分、私、夢見てます。今」
目の前に居る二人は顔を見合わせている。無理もない。
けど、これも夢なのだ。
「だって、そこ、電気が点いているんでしょう?」
「うん」
「私には暗く見えてるんです。電気が点いてない。どうしよう」
「どうしよう、って?」
「どうしたら夢から醒めるんだろう。分からないんです。いつもは、すぐに起きられるんですけど。起き方が分からない。どうしよう」
自分は完全にこの世界の住人になっている。
いつもの夢を見ている感覚が全く無い。私はここにいる私でしかない。
どうしよう、と繰り返した。
いつもの夢なら、起き方を知っている。
どうすれば夢から醒めることが出来るのか、知っている。だからすぐに起きられる。
夢を見ている自分を自覚しているから。
イヤ、「夢の中の自分を外側から見ている」という感覚の方が正しいかも知れない。
今、自分は夢の中に居ることを自覚した。
けれど、いつもなら外側に居る筈の自分が見当たらない。
ひょっとして、もう永遠に夢の中に閉じ込められたままなのかな。
そんな夢みたいなこと。って、これ夢だけど。
そうなったら、そりゃ、その方が幸せなのかも知れないな。
でも、それなら、どうしてこんなに不安なんだろう?
どうしてこんなに怖いんだろう。
-----
前にちろっと書いた、自分としてはひっじょーにめんずらすぃー夢。
ていうか、多分見たことが無い。寝てる自分が「これは夢だ」と認識しないまま見てる夢は多いけど、夢の中の自分が「これは夢だ」ということを認識していて、でも寝てる自分は夢だと認識していない、ていうシチュエーションはかつて無かったと思われる。
夢から醒めなくなる。
それは、自分としては少し幸せな気もする。
けど、夢の中の自分はそれを怖がっていた。現実世界に戻れないことに不安を感じていた。
そういうものらしい。
「え、どこが?」
「え?」
会話が食い違った。それで瞬間的に理解した。
直感と言ってもいいかも知れない。自分でもどうして判ったのか分からない。
「あ、どうしましょう。コレ、違うんです」
「は?どしたの」
「違う。コレ、夢です。多分、私、夢見てます。今」
目の前に居る二人は顔を見合わせている。無理もない。
けど、これも夢なのだ。
「だって、そこ、電気が点いているんでしょう?」
「うん」
「私には暗く見えてるんです。電気が点いてない。どうしよう」
「どうしよう、って?」
「どうしたら夢から醒めるんだろう。分からないんです。いつもは、すぐに起きられるんですけど。起き方が分からない。どうしよう」
自分は完全にこの世界の住人になっている。
いつもの夢を見ている感覚が全く無い。私はここにいる私でしかない。
どうしよう、と繰り返した。
いつもの夢なら、起き方を知っている。
どうすれば夢から醒めることが出来るのか、知っている。だからすぐに起きられる。
夢を見ている自分を自覚しているから。
イヤ、「夢の中の自分を外側から見ている」という感覚の方が正しいかも知れない。
今、自分は夢の中に居ることを自覚した。
けれど、いつもなら外側に居る筈の自分が見当たらない。
ひょっとして、もう永遠に夢の中に閉じ込められたままなのかな。
そんな夢みたいなこと。って、これ夢だけど。
そうなったら、そりゃ、その方が幸せなのかも知れないな。
でも、それなら、どうしてこんなに不安なんだろう?
どうしてこんなに怖いんだろう。
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前にちろっと書いた、自分としてはひっじょーにめんずらすぃー夢。
ていうか、多分見たことが無い。寝てる自分が「これは夢だ」と認識しないまま見てる夢は多いけど、夢の中の自分が「これは夢だ」ということを認識していて、でも寝てる自分は夢だと認識していない、ていうシチュエーションはかつて無かったと思われる。
夢から醒めなくなる。
それは、自分としては少し幸せな気もする。
けど、夢の中の自分はそれを怖がっていた。現実世界に戻れないことに不安を感じていた。
そういうものらしい。