もう嫌だ。
みんな悪口ばっかりだ。口を開けば他人の悪口ばっかりだ。
悪口ばかり。
もうたくさんだ。

みんな、悪口ばかり言う。
悪口ばかりだ。
悪口ばかり。
なんでそれしか言えないんだろう。

悪口は聞くのも言うのも嫌だ。
自分が言われたくないから、自分も言いたくない。
それだけだ。
そもそも、人ってそんなに悪い所があるのかな?
自分が気に入らないだけじゃないのかな。
そんなの、わがままだ。

気に入らないなら、その人に向かって言えばいい。
じゃないと伝わらないじゃないか。

そう言う自分も、言えてない。
「面と向かって言えばいいじゃないですか?」
その一言が言えてない。
矛盾だ。全く明らかな。

矛盾する自分を抱えたまま、今日も悪口を聞かされる。
きっと明日も。その次も。ずっと先まで。
誰かの、誰かへの悪口を聞かされる。

どこへ行っても、憎しみばかりだ。
誰かが誰かを悪く思っている。
どこへ行っても悪口だらけだ。
誰かが誰かを嫌っている。
誰かが誰かを憎んでいる。
もう嫌だ。

悪口を聞かされてばかり。
否定しても、それに重ねて悪口だ。悪口で塗り潰してくる。大抵みんなそうだ。
こっちの言い分なんて聞いちゃくれない。
当たり前だ。こっちは何も知らないんだから。

知らないから、黙るしかない。
同感する気もない。
否定する権利もない。
違う土俵で話されたって困る。
他にどうしようもないんだ。

悪口を言うなら、対象の本人と直接話をさせてくれよ。
それから判断させてくれよ。
悪口を言われるに値する人間かどうかなんて、直接話さないと判らないじゃないか。

悪口を聞くのは虚しい。
自分もこうして、どこかで悪口を言われてるんだろうな、と思うと悲しくなるから。
知らない所で悪口を言われてるその人が可哀想に思えるから。
人が人を、こんなにも憎んでいると思うと悲しいから。

悲しいことばっかりだ。
悲しみが増えていくばかりだ。
いつになったら悲しいことは減るのかな。