男の横顔の輪郭を描いて、目と髪を付け足した。
鼻の線が気に入らなくて、二、三度描き直した。
胴体、肩、上腕、肘、下腕、手。上から順にパーツを付けていく。
簡略化された各部品は、時間をかけずに空間認識するのに便利だ。

男は真横ではなく、少し向こうを見つめている。
口元に表情は無いが、その目は少し寂しげだ。

男の向こう側に女の顔を描いた。
輪郭は完全な円ではないが、それに近い。口元はうっすらと笑みを覗かせている。
柔らかい表情の女だった。
首から下に簡素な服を被せた。

髪型をどうしようか、としばし悩んだ。
短めに描いてみたものの、どうも気に入らない。
思い切って超ロングにし、ウェーブをかけた。脚まで届きそうな、さらさらの緑髪。

髪に隠れて目は見えない。
それでも、確かに女は微笑んでいる。
男は女を見つめたまま、変わらず寂しげな眼差しを向けている。

深緑を映してゆらゆらと揺れる水面のように、
女の髪もそよ風に靡いて揺れていた。


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絵を描く夢第二?弾。確か二回目だったような。
自分としては珍しい夢です。この所ちっとも描いていない所為か。
ああ、次描くときは更なるスキル低下に絶望するに違いない。

紙に鉛筆でテキトーにカリカリ描いていくんですが、女の髪を描いた後に、急に青緑色に澄んだ沼だか池だかの水面下に沈むんです。
ああ、これ水の中なのか、て思った所で夢オチ終了。
単純な線と、最後の水面の色が気に入った。