ひとつの国の中を人々が行き交っている。
巨大なロボットはその国で造られた。

世界の東の果ての向こうには、新たな土地があった。
ロボットが跳び移れる距離だった。
ロボットがその土地へ跳び移ると、そこには何もなかった。狭く、人間もいなかった。

ロボットは生まれた国へと戻り、西の果てへと向かった。
西の果ての向こうにも新たな土地があった。
そこには人間が住んでいるらしかった。
しかし、ロボットが跳び移れる距離ではなかった。

それでも跳び移ろうとしたロボットは、深い深い谷底へと落ちた。
ロボットは谷底を歩き、更に西を目指した。
やがて登れそうな崖を見つけて、そこから這い上がった。

そこは西の果ての向こうにあった、新たな土地の国だった。
人々は巨大なロボットに驚き、怯え、攻撃した。
ロボットは人々を一人残らず殺してしまった。

ロボットは座り込んだ。
随分長い間そうしていた。
かつてそこにあった国は風化し、人々が造った全てを砂と塵に変えていった。

さらに時が流れた。
ロボット自身も崩れ落ち、風化した。
風だけが吹いていた。


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スーパーマリワー4のスターロード全クリした後の、夕陽の世界が一番近い。
あんな具合の色彩で、面の画面ぽく2Dの平面世界。行き交う人々もロボットも、左右に一定の速度で平行移動するだけ。

何もかもが一定の時間で過ぎていくから、夢としてはあっという間に終わった。ロボットが人を滅ぼしたのも2秒くらいだし、国の風化が3秒くらい、更にロボットの風化が3秒くらい。

あ、ロボットはまんまラピュタのロボットでした。