運勢は天秤座1位、ポイントはジョークを言うこと、ラッキーアイテムは中華弁当。(給食だし

見るからに血管ぶちぶちの、全体的に気味悪い色になった右手に湿布とテーピングを巻いて。

通り道の横断歩道に落っこちていた緑色と白色の物体は、花の蕾と膨らみ始めた花弁かと思ったらメジロの死体だった。


実習最後の朝は、そんな風に始まりました。

それが死体だと判ったのは、丁度信号が青になって歩き出す時だったんですけどね。綺麗な死体でしたよ。

何だってこんな所で死んじまってるんだろう、と思いながら歩いて行きました。


中学の時に鳥の死体を拾ったことを思い出しました。あれは…セキレイ系だった気がするな。

外で遊んでたら、校舎の壁の近くにぽてっと落ちてたのを見つけたんですよ。そのまま放っておくのが可哀想だったんで、拾って近くの花壇に埋めたんだっけ。

時間があれば拾ってどこぞへ埋めてあげたかったんだけども、今朝は無理だった。遅刻気味だったし(オイ

案の定、約14時間後の帰り道では悲惨な状態になってました。暗くてよく見えなかったが、あれはバラバラにされた羽毛だったと思う。

だから不思議だったんだよ、何であんな所であんな綺麗な形で死んでたのか。知る由も無いですが。


そんな世の無常を感じつつ、小さなメジロの安寧を祈りつつ。

最終日に臨みました。



いつものように朝は実験準備とプリント印刷に追われ、職集では最後の挨拶をし、朝会に体育館へ。

出勤簿をつけるのも漸く手慣れてきました。朝会後、急いで一限授業の実験室を開ける。

最後の理科授業は良い流れで終わることが出来ました。この感覚を憶えていたい。


次の授業は担当学級の道徳。少しでも生徒達のこれからに役立つ内容だったらと思います。

最後のLHRではサプライズ。あれは本当に吃驚した。嬉しかったし、楽しかったし、何より幸せでした。

プレゼントを貰ったのですが、ここでも吃驚することがひとつ。

毎度驚かされる。何で自分の周りの人達は皆、自分の欲しいものが解るんだろう?

一言も言ってないのに。


自分は、歌が欲しかった。

担任クラスが音楽会で歌った歌、その歌をもう一度聴きたかった。


そしたら、ホントにプレゼントしてくれるんだもんな。何で解ったんだ?

何だか嬉し過ぎて、もっと話したいことあったけど、お陰でどっか吹っ飛んじまいました。

おまけにこんなポーズで撮ったことない、っていう記念写真が出来ました。


帰りの会で改めて御礼を言って、そこで生徒と別れました。

放課後、教室を軽く掃除し、日誌を書き、指導教官と反省をし、プリントの添削を終え、理科室の掃除を済ませた頃には、既に21:00を回っていました。最後までこんなんだな、と苦笑しました。

指導教官に最後の挨拶をして、学校を出ました。



間違い無く、最高の教育実習だったと思っています。

担任したクラスがピカ一の底抜け楽しいクラスだった、っていうのもそうですが。

それより何より幸せだったのは、心から尊敬出来る、恩師と呼べる先生に出会えたことですね。


「自分が努力した量に対して、満足出来るだけの見返りがあったか。

それがもしあったなら、この道を選んでも良いんじゃないかな」


実習を終えて、一番心に響いた言葉でした。

言い方は悪いですが、実習を一つの指標にしようと思っていたので。自分にとって教師の道が合っているのかいないのか、それを見極めようと思っていた所もあります。


結論から言って、2年後の自分が教師を志していてもおかしくはない。

そういう経験が出来ました。自分にとって、この三週間で得たものは本当に多かった。勿論努力した量も多いですが、それを遥かに上回るものを貰ったと感じています。



そんな素晴らしい経験が出来たのも、全て自分の指導教官のお陰でした。

これは言葉で表せない。この感謝の気持ちをどうしたら言葉で表せるのか、自分には解らない。そんな言葉があるなら教えて欲しい。是非とも伝えたいから。

つくづく、自分の不器用さに嫌気が差しました。


きっと、自分にとって嬉しかったのは、教師という仕事が悪いことばっかりじゃないと教えてくれたこと。

教える楽しさを教えてくれたこと。生徒との触れ合いを教えてくれたこと。

教師という仕事の楽しさを教えてくれたこと。


それが何より嬉しかったんだと思います。



心から伝えたい。ありがとうございました、と。

このたった11文字で伝わったかなんて判らない。でも、自分は心からそう思っています。




もう一度さよなら、自分の母校。


あの時は昇降口から出たんだっけ。今日は職員玄関から降りたよ。

また来週から、いつもの学校が始まるね。


その中に、もう自分は居ないんだね。