本日am9:00、突如としてベランダに締め出されました。(犯人:兄貴

洗濯物を干していたんですが、ハンガー留めに洗濯バサミを使うか否かで小衝突。

→結果:ベランダで干していた自分が優先権を獲得、洗濯バサミ使用を却下。(理由:心の底からめんどい

→→その結果:部屋の中に居た兄貴に窓の鍵を閉められる。


「『御免なさい』と言えたら開けてやる」という兄貴の言に、兄貴よか気が短い自分が先に軽くキた。

→結果:返答に「フザケんなバカヤロー」(理由:謝る理由が地球上に見当たらない

→→その結果:ベランダと繋がっている窓全部の鍵をロックされる。


我が家はベランダから屋根に行けるんですが、屋根に繋がってる自分の部屋の小窓もロックされ、文字通り飛び降りて玄関からただいまするしかない状態に。

カーン。兄貴と俺の意地っ張り大会の開幕を告げる鐘が響いたような気がしました。



そうは言っても、日和の良い平和な休日の朝。

兄貴もフザケ半分でその内折れるだろうと、暫くのんびりと有効的に時間を潰すことに。


まず、腕捲りして肌を焼いてみる。白い肌は何だか不健康な気がするから嫌い。まあ、不健康なんだが。

次に筋トレを開始。スクワットを基本に、腕筋系をいくらか。結構汗かいた。

筋トレをしながら、皐月の日和を体感する。

ムクドリの番が眼下の庭を横切っていく。頭上を飛び去る鳥の影を追い、家壁を這う虫にそれとなしに愚痴ってみる。庭に咲いた、我が家自慢の躑躅と牡丹が可愛らしく咲いている。

心地良い陽射しに、日光浴ついでに眼光浴。ん、気持ち良い。


多分、それで40分くらい経過したと思われる。

好い加減筋トレにも飽きてきたので、そろそろ開けろと兄貴の部屋に行って催促してみる。

→結果:「『ごめんなさい』は?」

→→その結果:完全にキた。



カーン。第二ラウンド開始。

これ以上の無駄な時間の浪費を避けたかったので、下に居る母さんに救難信号を送ってみることにする。


・持っていた洗濯バサミを全て庭に落としてみた。

→変化ナシ

・着ていた上着を丸めて庭に落としてみた。

→変化ナシ


遭難者の気持ちがほんの少しばかり解ったような気がする。

信号を伝えるのは難しいもんだ。期待する方が馬鹿馬鹿しくなってくる。

全ての洗濯物をブチ落としてやろうと思ったが、また洗濯するのがめんどいのでちょっと躊躇う。


何の変化も無いので、仕方なく自力で脱出する方法を模索する方向に思考を切り替える。

屋根伝いに行けばトイレの窓があるが、流石に大人の人間が通れる程の大きさは無い。小さい頃はよく屋根から出入りしたっけな、と懐かしさ半分、屋根から移ってトイレの方へ行ってみる。窓は開いていた。


窓から上半身を突っ込み、便器の蓋に手をつけば、逆立ちのまま下半身を滑り込ませられるかと思案していた所、トイレのドアが突然開いて兄貴が現れる。

無言でガンを飛ばし合うと、兄貴はドアを閉めてその外で何やらガタガタとやりだした。

トイレの外にバリケードを作ったらしい。こいつ、本気でアホなんじゃないか。

仕方ないので顔を引っ込めた。どちらも底抜け意地っ張りなアホ兄弟なのであった。



カーン。第三ラウンド開始。

さてどうするか。本格的に飛び降りるしかなくなってきたぞ。


飛び降りるに当たって、比較的安全と思われる方法は3つ。

1つは、我が家の物置が屋根の近くにあるので、一旦そこへ飛び降りてから地面に降りるパターン。ところが、物置に近い屋根と、ベランダから繋がっている屋根同士が繋がっていない。途切れてる箇所は約1.7m程。しかも屋根の幅が異常に狭い。

唯でさえ傾斜している足場でこの距離のジャンプは不可能だろ、と諦める。


もう1つは、我が家の隣家の離れ?のような建物の屋根に飛び降りてから地面に降りるパターン。しかし両者の間に電線があって危険なのと、激しく迷惑なのでこちらも却下。


もう1つは、屋根の高さ付近まで伸びている庭の棕櫚に掴まって、モンチッチーの要領で降りる方法。

が、この棕櫚、そうとうに脆い。試しにゆさゆさ揺らしてみたが、体重をかけると折れそう。

大切な棕櫚らしいので、後世まで呪われそうだからこれまた却下。


うーん、八方塞がりか?


そこで閃く。→干していた布団がクッションに使えやしないか。

救難信号で落とさなくて良かった。早速布団を引き摺ってきて、どこが絶好のポイントか探すことに。


一番人目につかなそうなのは裏庭。草も生い茂ってるし、この辺りは土も湿っていて柔らかい。

が、こんな時に限ってお隣さんが洗車をされていやがる。この作戦、最も危険なのが警察に通報されることなので、仕方なく別のポイントを探す。

と言っても、屋根上で動ける範囲の半分以上が隣家の敷地に接しているので、結局正面の庭しか候補が無くなる。その庭、丁度中央に二段の物干し竿がかけられており、その上に布団を落とせばいけないこともないかと思ったが、確実に物干し竿が潰れてガラガラガシャンと壮絶な結果になりそうだ。干してある洗濯物を巻き込んで。


何か良い方法は無いだろうかと、何となくベランダにある物干し竿を一本持って来る。

何処かに固定すれば、これで滑り降りられるだろうか…程度のことしか考えられなかったが、眼下の物干し竿を見てはたと閃く。


→こいつを下の二段物干し竿で固定すればいけそうではないか?!


早速竿を下ろしてみると、ギリギリで長さも間に合った。干してあったシーツを剥ぎ取り、もう一本を持って来て並べてみる。2本のレールが地面まで通った。こいつはいけそうだ。

後はこの2本に掴まって下まで降りれば…と身を乗り出した所で、玄関の扉の開く音。


母「あんたさっきから何やってんの?」

黒「兄貴に聞いてくれ。今自分はこれでも結構必死なんだ。というか、気付くのが今更とは遅過ぎる」

兄「お前も好い加減意地っ張りだな~」

黒「お互い様だろ。お互い様もイイ所だ」

母「何したの?洗濯物落としたんじゃないの?」

兄「ベランダに閉じ込めた」

母「馬鹿じゃないの」

兄「おい、さっさと降りて来いよ。動画撮ってやるから」

黒「言われなくとも行ってやる」

母「止めなさい」



→結果:未遂に終わる。(理由:母さんが激怒する

結局、ボケナス兄貴が窓を開けに来ました。死ね。今日だけはクソミソに言ってやる。どこぞでヘドロでも引っ被って放射能浴びてビオランテにでもなるといい。USBに頭喰い千切られてカップを齧って発狂するがいい。


陽射しですぐに熱くなったベランダや屋根を素足で歩き回った(サンダルがあるのだが、途中から滑りそうで危ないのと足ツボ刺激用の突起が痛いのと邪魔臭くなったので脱いだ)所為で足の裏は軽く火傷したし、その前に屋根がカビだらけで手足が汚染されまくったし、引き摺り回した布団はぐしゃぐしゃだし、全く以て踏んだり蹴ったりだ。

無駄な時間を過ごした。たった一日の折角の休日を!死んでくれ。

ああ、やっぱり腹立たしいな。

飲むプルーンヨーグルト漬けになって冷蔵庫の野菜室に死体が納められちまえばいいのに。



もう駄目だ、今日は残り半日、部屋に閉じ篭もって書くしかねえな。