―――助けに行かなければ。

彼を助けに行かなければならない。彼を起こさなくては。

一刻も早く…!


階段を一息で跳び越え、更に上階を目指す。彼の元へ。彼の眠る部屋へ。

しかし、行く手を人間が阻む。皆、例外無く私を襲ってくる。敵意を剥き出しにして。


何故邪魔をするのか?

私は、私の友人を助けたいだけなのだ。それだけだ。

何かいけないことなのだろうか。そこまで憎しみを滾らせる程に?


最初に片脚が潰された。

壁に手をついた所で、腕を潰された。

側頭部を強く打たれて、遂に私は倒れた。


眠る友人の横顔を想った。

彼に謝りたい、と願った。私は君を助けることが出来なかった。


そう言えば、彼の顔はこんなにも自分に似ていただろうか?



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以上。いつにも増して短いな。


ロボットが夢に出て来ると例外無く嬉しいんですが、今回はちと変わった夢でした。

見る夢は大抵人間側が主役(と言うか人間からの視点)なんですが、この夢はロボットからの視点でした。かと言って自分がロボットになった訳ではない。夢を見ている自分は別に居て、でもロボットが考えていることが解る。そんな感じ。自分が見てる夢だから当然ですが。


ロボット視点、てのは中々に楽しいな。自分がロボットになった気分。

結局は自分の理想像な訳ですから、楽しいのもまた当然な訳で。

現実世界で叶えられる夢が夢と呼ばれる所以が解るような気がする。


ロボットが仲間のロボットを助けに行こうとしている、それを人間が邪魔している、というシチュエーションも中々に面白いなあと感じました。大抵取り上げられる要素はロボットの反抗だし、自分もその方が読んでる量は多いんですけどね。

ただ、ロボットが開かれた存在として目覚めるのを拒否すると言うか、それを人間が知らないままに当のロボット達だけで開かれた会話をしている、という内容の話は読んだことがある。何だったかな。確かアシモフの短編の一作だよな。感覚的にはそのロボット同士の関係に近い気がする。



…まあ、ロボットの外見は確実にサニーだったけどな!(結局はそこに落ち着く