“最高のショーにしたいんだ”



―――マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』、念願叶って観に行って来ました。レイトショーで。

そして、世界は本当に偉大な人を失ったのだと理解しました。尊敬というレベルを超える。

最早人間ではない何か、と思える程に超越した存在。彼は自分と同じ種の生物なのか?

彼程の才能は、もう有り得ない気がする。二度と彼のような人は現れない。


この宇宙の歴史に現れた、1つの奇跡のように。

彼と同等の才能を持つ人間が誕生する確率と、地球に生物が存在し得た確率、どっちの方が高いだろう。

後者が無ければ前者は成立しないから、結果は明白か。相変わらずたとえが下手クソだな。

それはいいとして。


彼は彼自身を知っている。ファンをとてもとても愛している。全世界を愛してる。

そして、彼は多くの人に愛されていた。何て羨ましい人だ。


凄く後悔しました。彼の生声を一度でも良いから聴きたかった。

一度でも良いから、彼のコンサートに行って彼の世界に入りたかった。

まあ、もし彼が自分の地元の市民会館でコンサートやるって言っても、チケット取れないだろうけどな。

埼玉の片田舎でも全世界からファンが来るんだろうな。うわ、何か想像出来ねへ。


今回は母さんと一緒に観に行ったんですが。

母さんはマイケルを昔からずっと知っている分、自分とは別の、より大きく深い感動があったらしいです。

母は聡明なので、きっと彼女が考えていることは自分には遠く予想もつかない。

現に、帰りの車中での会話はちぐはぐだった。

母さんの感想に対して、自分は何も返せなかったから。


「マイケルも、ダイアナも、エルヴィスも、マスコミが殺した」


母さんはそう言います。

自分はマスコミが嫌いだから、単にそうだと言います。

母さんと観に行けて良かったと思います。




たった一日。

日常を忘れさせてくれる。彼が見せてくれる世界へ。


その手に引かれて、全世界が夢を見るよ。