…おお、何かそのまんま本のタイトルになれそうだぞ、これは。

昨日の朝見た夢の話。超断片的ですが。



*          *          *


硬くて強そうな、先端にちらりと黒が混じった白い毛並みのオスのオオカミ、スティンガー。

身体を撫でると、ちくちくとした感触が手のひらを刺す。けど、痛くはない。

首に腕を回して抱き寄せると、スティンガーも顔を摺り寄せてくる。

そこで顔に毛が刺さると、ちょっと痛い。でも気にならない。

少年が駆け出すと、一緒になって彼も駆け出す。


風の様に走って、じゃれ合って、結構痛いけど、でもスティンガーは加減してくれてるみたい。

ちょっと油断すると本気で襲われそうで怖いけど、スティンガーは楽しんでる。

そんな緊張感と楽しさの狭間に置かれて、心臓は窮屈そうに胸の中で踊ってる。


少年がいつも持っているのは、大きな四角い形の、エメラルドの様な綺麗な石。

石の中には濃緑の珠が9つきちんと並んでいる。

少年は、この内の一つをスティンガーにあげたいと思った。


きょろきょろと辺りを見回して、見つけたのは地面に突き出た大きな岩。

えいやっとばかりに石を叩きつけると、緑の石にひびが入った。

でも、まだまだ割れやしない。


スティンガーは何をしてるのか、と大きな目で少年を見ている。

少年は、もうちょっと待っててね、と微笑んだ。



*          *          *


…オチがねぇ!いつものことか。