自分は時々わけのわからない夢を見る。
まあ、夢って言うのは大抵わけがわからないが。
こんな夢を見たのは、熱があったのと、寝る前に銀魂のえいりあんの話を読んだからだろう。
* * *
学校からの帰り道らしかった。
小学校だか中学校のようだが、自分の母校では無い。だが、ランドセルを背負って皆一緒に帰る面子は小中学の友人だ(自分の中学は公立だが1つの小学校からしか上がって来ない為、小学と中学の友人は全員同じ)。皆当時の小中学生辺りの身体に戻っている。
ただ、自分の横に居るのは何故か見慣れた小中学の友人では無く、長い金髪と金色の目をした同年代の少女だった。(もやしもんを知っている人は外見はマリーだと思えばOK。但し恰好はアレ系では無い)
現実の自分はそんな人と知り合いになった憶えは皆無だが、夢の中では結構仲の良い友人であるらしい。外国人とのハーフなのか、名前もあちらさんの感じだった。後に出てくるが、多分アレは間違いだと思う。
というかその金髪少女は少々性格に難癖があるらしく、あまり他の友人とは付き合っていないようだった。自分は結構そういう人物とも上手くやっていける人間なので、それは夢の中の自分にも投影されているらしかった。
金髪少女はちょっと我儘で、言うことが直接的で高慢で、確かに避けられる要素を持っている。
夢の中の自分も、まあ仕方ないかと思いながら付き合っているらしい。
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その金髪少女との帰り道、唐突にエイリアンに襲われる(ここの詳述は↓で)。
そこで、どうやら2人揃ってエイリアンに寄生されたらしい。寄生されると、影がぐにゃりとひとりでに動く。
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夜になり、場面はどこかの薄暗い店に変わる。
古代生物でいうとオパビニアのようなピンク色の気持ち悪いの(明らかにエイリアン)がそこらでうねうねしているが、これは雑魚であるらしい。自分はなるべく近寄らないようにしている。
自分はその店でバイトをしているらしい(金髪少女も一緒に)。商品棚を整理する役なのか何なのか知らないが、ずっと同じ商品棚の前に立って何かやっている。商品棚には右側に写真入りのポストカードが並べてあり、左側は小さなキーホルダーのような金属物が所狭しと掛けられている。客が探しているものを探したりもするらしい。
そうしていると、例の金髪少女がやって来る。
同じ職場で別の黒髪の少女が働いているらしく、その女の悪口を言っている。相当気に食わないらしい。そうして話していると、金髪少女が商品棚を指して「あたしが言ったのすぐ見つけてみてよ」と挑発してくる。自分はあまり自信が無いらしいが承諾する。
そんなことをやっていたら、突然白い電車が右からやって来て商品棚の間を通り抜けて行った(まず有り得ない)。自分は慣れているらしいが、金髪少女は吃驚して避けなかったので、慌てて自分が彼女を端に引き寄せた。目の前を通過していく電車。
金髪「何、今の…」
黒「ここはよく通るけど?」
何だこの会話は。
その後2人してレジの方へ歩いていると、一人の男が後ろからやって来る(ラピュタの親方をイメージすればOK。但し帽子とつなぎの下に着ているシャツはくすんだ赤色)。男はトラックの運転手であるらしいが、自分達を見下ろしてにかっと笑うと、さっさと倉庫の方へ歩いて行ってしまう。
金髪少女はその倉庫の扉付近にさっきのオパビニアがうねうねしているのを見て不審に思ったらしく(この時自分もあの男がエイリアンなのではないかと勘付いていた)、その倉庫へ単身入っていく。その直後、一瞬中からピンク色の気持ち悪そうな塊が飛び出てきたと思ったら、すぐに引っ込んで扉が閉まり、静かになった。
喰われた、と思った。
自分はとてつもない恐怖を感じ、その場から逃げ出した。
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家に着くと自室へ向かい(自室に入る前に兄の部屋に父が居るのがちらっと見えた)、ベッド脇にある窓から屋根へ出て下へ降りようと思った(何で逃げるのにそんな七面倒臭いことをしなければならなかったのかはよくわからない)。普通ならジャンプして飛び降りるが(確実に骨折する)、夢の中では蔓と(何故か)布団が滑り台のように掛かっていて、難なく地面に降りることができた。
その後、家の近くを通る細い道路の脇をひたすら走っていく。
スグに助けるからな、と金髪少女のことを考えながら、ともすると泣きそうになりながら走っていた。
暫く走っていくと左手にガラス張りの待合室のようなものが見え、自分は自動ドアを通って中に入り、すぐさまもう一つの自動ドアで出て行った。中の椅子には老人も含めた数人が座っていたが、自分が何の為にわざわざその待合室を通り抜けていったのかは全くわからない。ただ、以前にもこういうことをしたデジャヴのような感触はあった。
そこから、デジャヴが続く。
前と同じ道だ、と夢の中の自分は思っている。長いなだらかな坂だが、そこを走っていけば2区(自分の住んでいる地域の区画のひとつ)へ行くことができ、ジョギングをしている友人に会えると考えたらしい。
そうして暫く走っていると、どでかい交差点で赤信号につかまる。前によくある黄色と黒の安全地帯のようなものが見える。
そこで待っていたら、後ろから友人Tと友人Y(どちらも小中の友人)に声を掛けられる。案の定、2人はジョギングをしていたらしい。自分はわけを話し、2人に助けを求める。
T&Y「明日健康診断なのに?」
黒(必死)「そうだよッ…明日健康診断なのに……!」
多分、大学の健康診断の日程が気になったからこんな会話が出てきたんだろう。
明日健康診断だというのに、金髪少女がいなくなっちまったよ、ていうか喰われちまったよ。どうしよう、と。
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また突然場面は変わり、夕方の下校途中になる。が、例の金髪少女はおらず、自分は小中の親友である友人Mと友人Jと帰っている。やはり居なくなった金髪少女のことを相談していた。
M「あの子、名前何ていったっけ?」
黒「名前…」
そういえば、名前が出て来ない。彼女があの男に喰われてしまった時の恐怖で忘れてしまったらしい。
確か『ト』から始まったよな…と紙に書いてみる。
『トシロウ』
……絶対違う。
4つ折の紙を開いたらしい、泥の付いた小汚い紙に書かれた鉛筆の文字を見て、自分はそう思った。
そうこうしているうちに友人Jとも別れ、気が付けば夜になり、友人Mと2人で見知らぬ土地を歩いている。
否、夢の中の自分には覚えがあった。
ここは、金髪少女と2人での帰り道、エイリアンに襲われた場所だった。
(ここから先の状況は、前に襲われた時と全く同じ)
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牧場のような場所の柵の中で、月明かりを浴びているエイリアン達(紫色のヒトデの足が異様に長くて(2~3m位)細くて4本しかない奴をイメージして頂ければOK)。その落とす長く黒い影は不気味に地面へ伸び、極めてゆっくりと動いている。
いくつか群れがあるのか、数十体毎にまとまりになっていた。殆どが4本の足(?)で地面に立っているが、中には起き上がって2本足で立っている奴もいる。
道はその柵で囲まれた牧場の真ん中を通っている。右にも左にも、エイリアンの集団がいる。
どうやらエイリアンに寄生された人間はエイリアンに襲われるらしい(普通寄生されてない方を襲うと思うが)。狙いが自分にある以上、Mを傷付けるわけにはいかないとMを守ろうとする自分。
何やらエイリアン達に対抗できる武器(ペンライトみたいな物で先端から光が出ている)を持っているようだが、いたずらに刺激してはマズイとその先端を自分の腹辺りに押し付けて光を隠そうとする。
そして意を決して柵の中へ入っていくと、思った通りヒトデ達が動き出す。やはり緩慢な動作ながら、次々と2本足で立ち上がっていくヒトデ。それを横目に見つつ、自分はMと共に駆け出す。
自分という標的を察知したヒトデの動きは段々速度を上げ、集団で追いかけてくる。マズイ、追いつかれる。
黒「ごめん、まだ飛翔能力は持ってないから」
M「え?」
自分は唐突にそう言うと、Mを抱えて勢いよく跳んだ(50m位)。エイリアンに寄生されると何かとんでもない身体能力が手に入るらしい。前に金髪少女と襲われた時、自分達は飛翔能力を持った人に助けられたらしく、そのことを言っているらしい。スキルアップすると飛べるとか。
この大ジャンプを何度か繰り返し、ヒトデ達からの追跡はかわすことができた。が、次に現れたのはハトのようなエイリアンと、人型のエイリアンの集団だった。
ハト型エイリアンは素早い上に空を飛べるから、流石にジャンプでもかわせない。しかし以前にも体験した自分は対処法がわかっているらしく、どこから取り出したのか豆鉄砲(!?)を入れたビニール袋を振り回してハト達の突っつき攻撃をかわしていく。しかも本当はまた別の対処法があるらしいが、今は使えないらしかった。
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ひとまずエイリアンからの追跡を何とか逃れ、辿り着いたのは何故か小学校。
しかも夜ではなく、昼間になっていた。
職員室の窓から複数の先生が顔を出していて、その前に生徒達が群がっている。とても賑やかで、平和的な風景。これは小学校の記憶からきていると思う。
命辛々逃げてきた自分とMは担任の先生(眼鏡を掛けた優しそうな女の人だった)の所へ走って行き、こう叫ぶ。
「先生、助けて!○○(金髪少女の名前)が…」
そこで、目覚ましのアラームが鳴った。