というわけでネタばれを含みますので、そういったものが苦手な方は読まない方がよろしいかと。↓
今回この映画を観たのは、TSUTAYAが半額やってた時に(この時24日の記事のアルバムも一緒に借りた)何か面白そうな映画は無いかと探していた所、偶然目に留まったのがきっかけである。
そういえば、と随分前に紐で繋がれた操り人形が動いているCMを観たのを思い出し、当時猛烈に観たかった情熱(?)が再燃し、借りてみることに。
サブタイトル~愛と絆の物語~とあるが、正直ストーリーはおまけ程度に楽しむつもりで。借りた第一の目的は、操り人形の動作を観察すること(←機械好き)。自分の持つキャラクタには人形的な奴等が多いので、生身の人間とは違い、またCGとも異なる実際の人形というものの動きの勉強になるかなーと。
絵や小説に連続的な動きは無いけれど、そういったものを見ることで何かそこからほんの少しでも得られるものがあればいいなあと。
そんな次第で、鑑賞してみました。
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まず、私的に設定が非常にツボ。
身体には各部品毎に天からの紐がくっついていて、頭の紐を切ったら死ぬとか、死ぬと全身の紐がばらばらと落ちてくるとか、人と人が紐によって繋がっているとか、とにかく天から垂れ落ちた紐が唯の木偶に命を吹き込むっていう神業を成す設定がすごく好き。
紐によって束縛されるmarionetteが、その一方で紐によって操られることで動即ち生を得る、その関係と成り立ちを上手く表現しているなあと思う。
話はまぁありがちな展開のまままったり進んでいくわけですが。何というか、あんまり展開を急いでない感じ。世界観がそうだからかもしれないけれど、全体的に落ち着いた雰囲気。そんな所も好き。
そして人形の動きが細かい。流石はプロ…!瞬きしたのも吃驚したけど、潜水とかアレどうやって動かしてるんですか(あそこは加工か?)。内心結構カクカクしたのを希望というか予想していたけれど、思った以上に人形の動作は滑らかでした。そこが少し残念であり、感心した点でもある。
でも人形でここまでの動作をやりこなすというのは、やはり凄いと思う。
表情の変化の無い、本物の“人形”そのものだけで物語を進めていくことができるということも含め。
・主要キャラクタについて一言程度で適当に言及しておくと、
王子様→吹き替えナギナギだったんすか。
姫様→悲劇のヒロイン?素敵な女性でした。
王様→アンタ漢じゃけぇ
悪の親玉→影が薄くてあまり記憶に残っていない
旧・軍将軍→人間そんなもんですよ
新・軍将軍→声のしわがれ具合が最高
仮面の女性→もののけ姫的ポジションですか
鳥→……鳥?
…こんな感じ。(適当過ぎやしないか)
ラストシーンは結構好きだな。背景死んでるけど。
紐がぱたぱた落ちてきて、ジーナ姫さんの言った通りに鳥が自由になる。普通の映画からすれば単に鳥が空飛んだだけの当たり前でしかないシーンだけど、本編を観た後では何か感じさせられる所がある。
思えば、姫さんの台詞は色々と素敵だった。
一番気に入っているのは、正確には憶えていないけれど『私と兄様の紐が天の雲の上で互いに旋律を奏でている…』みたいなことを言っていた台詞。
最初の映像でそうだったように(多分効果)、雲の上ではあの紐はヴァイオリンとかの弦にとても似ている。
もし本当にそんなものが存在するとしたら、その弦が奏でるのは劇中で流れていた曲以上にさぞかし美しいメロディなんじゃなかろうか。
…なんて年甲斐も無いことを考えてみたりした。
自分の嗜好とはやや離れた幻想的・神秘的な世界だけれど、偶には浸かってみるのもありかもしれない。
人形の動作だけでなく、設定や世界観も良い勉強になったと思う。
問題は、これを自分の中でどこまで生かせるか。