平和の文化 | ノートさんのブログ

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3―2 文化を尊重した

 暴力に対して文化の力が非常に大切である、と筆者は考えている。

★「平和の文化」

『地球環境と仏教』大乗仏教の挑戦2(2007)で大島京子は、「平和の文化」を取り上げている。「平和とは武力紛争がないだけでなく、その紛争を平和的に解決できる状態であるとみている」(p211)ことは注目していいだろう。「『平和の文化』の創出ということは、社会や体制の変革から始まるのではなく、一人ひとりの人間の変革が先に求められているといってよいだろう」(p213)との大島京子の指摘に筆者も同感である。

澤瀉久敬(1993)も「ある民族の言語や文学をとことん知りぬいた人は、その民族の敵にはなりきれない。違った国民の相互理解を教育によって促そうとする場合、われわれはこの点に思いをいたさねばならない」(p508)とのベルクソンの言葉を紹介しているが、結局、教育によって人間の心を変革することが極めて大事だ、と筆者も痛感する。

★文化を尊重する日蓮

文化を尊重する日蓮の生き方は、大変、興味深い。日蓮は人生を楽しんで生きていきたい、と考えた模様である。

例えば、「迦葉尊者にあらずともまいをもまいぬべし、舎利弗にあらねども立つてをどりぬべし」(御書P1300、大悪大善御書)との一説がある。わが人生を舞を舞って楽しんでいくよう、日蓮は弟子たちの勧めていた。

また、仏教文化の恩人の国、中国並びに朝鮮に関して「日本国は彼の二国の弟子なり」(御書P1272、法門申さるべき様の事)と述べている。釈尊、天台が出現したが故に仏教が日本にもたらされたことに日蓮は敬意を払っているのである。日蓮の史観には日本だけ優れているといった先入観はない。